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第08話 女高生モデル殺人事件
Aパート Bパート 今週のチェック
 
 「女高生」と言う言葉がレトロな第8話は、モデルクラブを舞台にした華やかな設定。

 今までと違い、回想シーンなどもなくいきなり本編がスタート。

 明るいBGMを背に、微妙なルックスとスタイルの水着美女たちが立ち並ぶ。右側が、我らがスケバン、美也子さんです。
 ここは、上記のコンテスト会場であった。
 大学の研究会主催といっても、こういう大きな会場で観客もいれて行われる大掛かりなものであった。
 舞台の下手に立って司会をしているのは、今回のヒロインである橘ゆかりさん。
 「続いて7番、鷹の羽学園、夢小路美也子さんです」
 紹介され、急に愛想のいい顔になる美也子さん。むきだしの鎖骨がまぶしい。
 渡辺千秋さん、一応、アイドルなので、他の参加者と比べると確かに華がある。
 スタイルはまあそれほどでもないが……。
 最前列で盛んに声援を送っているのは、手下の不良少女たち。付き合いがいいね。
  
 普通は、前に出てポーズを決めてそれですぐ引っ込むのだが、自己顕示欲が強く、どうしても優勝したいらしい美也子は、それから審査員席に近付いて、こういう訳のわからないポーズをひとりひとりに向けて作るのだった。

 このシーンはちょっと恥ずかしい。
 お尻が可愛い美也子。
 スケバンの癖にこんな大会に出ているとは、6話でサキがタレントの付き人をしていたのを見て、対抗心を燃やしてのことだろうか。
 彼女が中央に戻ってから、左端のプロデューサーみたいな審査員と言っても全員大学生なのだが、
 「いいんじゃない? ああいうとぼけたのも」と評価する。
 左から2番目の眼鏡をかけたのも、「ウチにいないキャラクターだもんね」と好意的。
 だが、実質的なモデルクラブの主催者である左から三人目の男性は、
 「ああ、お前らで勝手に決めてくれよ……こんなレベルの子ばかりじゃ、ボクには興味はないよ」とつれない言葉。

 なお、この画像、左奥の衝立の横から、女性の顔が半分のぞいて、じーっとこちらを見ているので、幽霊かと思ったが、これは恐らくのちのストーリーにも出てくるストーカー的な女性なのだろう。……と思う。このシーンについては何の説明もないし、微動だにしないので妙に気持ち悪いんだけどね。まさかこんなにはっきりと幽霊が映ったりはしないだろう。
 で、結果発表。タラララッと言う定番のドラムロールのなか、スポットライトが揺れ動く。
  
 と、突然、照明が全て落ちる。スタッフと観客の声がせめぎあって、一時騒然とするが、ほどなく元に戻る。
 スケバンたちの「ふざけんじゃねえよ」と言う声が聞こえる。
 仕切りなおして、結果発表があり、案の定、優勝は美也子だった。
 美也子「うっそーっ」
 喜びのあまり、左右の参加者を突き飛ばすのがいかにも美也子らしい。
 第1回の優勝者である女子高生モデル、川辺悦子は、やや馬鹿にしたような顔でジュースを飲む。
  
 他意なくそれを祝福する手下の皆さん。この子たち、実はとても性格の良い女の子だよね。
 ナンバー2である登美子(金子美香)は「鷹の羽学園のプリンス君!」と美也子を讃える。
 普通は、プリンセスと言うところだろうが。

 男性審査員が川辺悦子に優勝トロフィーの贈呈をお願いしますと、カメラが彼女の席を映すが、
 いつの間にか悦子はぐったりと倒れていた。
 プロデューサー風審査員が声をかけて身体を揺すると、悦子は力なく床に倒れこんでしまう。
 主催者で、審査員長でもある男性は、手首の脈を探り、一言「死んでいる……」

 ここで、OPタイトル。

 事件後、彼らの大学。
  
 生意気にも記者を集めて会見をしている。奥のポスターにはチェッカーズの映画「TAN TAN たぬき」のポスターが。しつこい。
 なお、右の画像の奥にこういう話題には縁遠そうなおじさん記者が立ってるのが笑える。

 さらに生意気に映画まで作ろうとしていた、主演と考えていた悦子の死で、打撃を受けているとややわざとらしく嘆いてみせる。
  
 次のシーンでは前置き抜きに、暗闇指令のVTRが流れ出す。
 暗闇指令の声「君も女子高校生モデル、川辺悦子が殺された事件はようく知ってることと思う。死因は彼女の飲み物の中に混入された青酸カリだ。彼女は高校生の身でありながら、学校へはほとんど通わず、このモデルクラブに所属してモデルの仕事を続けていた」

 右のプレートには、「シティギャルズ」と言う文字の下に「事務所」「スタジオA」などの案内が表示されている。
  
 「そして経営者は山口シンイチロウ、帝都大学の三年生でありながら、雑誌やCMに女子高校生たちを集めモデルとして売り込み高い利益を上げている。悦子が死んだ水着コンテストも、山口自身がモデルクラブのオーディションをかねて主催したものである」

 学生が勉学ではなく副業に勤しんでいることに反感を覚えているらしい暗闇指令。
 「一見簡単に見えた事件だが、捜査対象が扱いにくい大学生、高校生であると言うところから現在、取調べが行き詰っている」

 日本の警察、学生に気兼ねし過ぎじゃないか?
 ここで、サキの部屋にカメラが切り替わる。後ろには神。
 暗闇指令の声「そこで君の任務だが、ただちにこの女子高校生モデルクラブに潜入し川辺悦子殺しの真相を探ってもらいたい……成功を祈る」
 サキ「あたしにモデルになれって言うの?」
 当然、反発するサキ。
 ただ、指令では「潜入」と言ってるだけで必ずしもモデルになれと言ってるわけじゃないと思うんだけどね。
 神「これは……命令だ!」

 俺の趣味だ、の間違いじゃないのか?
 なんか、神がタバコを吸ってる様子とか見ると、自分がそう進言して実現させた指令で、ちょっと後ろめたくてタバコ吸ってるように見えてしまう。
  
 サキ「冗談じゃないわ、あたしはね、あんな着せ替え人形みたいなマネは……」
 後頭部で喋っていたサキ、振り返るが、
 きょろきょろと室内を見渡す。
 そう、またまたいつの間にかいなくなっている神。
 なんとしてもサキのモデル姿が見たいので、断られる前に逃げたのだろう。
 サキ「神!」
 ややどたどたした走り方で部屋の出口まで神を追うサキ。
 可愛いけど、水着モデルはちょっと無理かも。ま、実際、水着にはならないんだけどね。

 ここでサブタイトル。

 しかし、モデルになれって簡単に言われてもツテのないサキがモデルになれるのだろうか?
 6話と違い、組織が手を回した形跡もない。
  
 まあ、普通のファッションモデルなら、サキだったら絶対採用されるだろうけどね。
 イヤイヤながら、命令に従い、そのモデル事務所に向かうサキ。いかにも気乗り薄である。
 と、ちょうど反対側から、美也子たちスケバングループがやってくる。凄い偶然だな。
 手下「サキ、てめえ、何しに来たんだよ」
 サキ「このモデルクラブに入れてもらおうと思って」
 あっさり説明するサキ。何となく自信がありそうな顔つきである。
 美也子「わたしはねえ、優勝したのよ、えらばれたのよ、もう日本一のモデルになるに決まってるわ、あんたなんか無理無理」
 相変わらず、恐ろしいほどポジティブな美也子さん。
 彼女にすれば、自分が特別な存在であることを特にサキに見せ付けたいと思っているので、ここは彼女にとって至福の瞬間だったろう。

 登美子「番長みたいな美女しかなれないの、とっととお帰り」
 嘲笑いながら階段を登っていくスケバンたち。
 こんなところへ来ても「番長様のお通りだよ」と傍若無人の連中だったが、中から走り出てきた背の高い女性とぶつかる。
 手下「番長にあやまんなよ」
 「何よ、あなたたち、失礼よ」
 彼女は、さきほど司会をしていた橘ゆかりだった。めちゃくちゃ美人である。「スケバン刑事」でも屈指の美人女優だろう。
 いざこざになるが、そこへ山口がやってきて「スタジオ入りに間に合わなくなるぞ」と声をかける。
 山口「君も遅かったじゃないか」
 美也子「すいませ〜ん、ちょっとお化粧のノリが悪くて!」
 山口「それから君ね、今後あまり品のよくない友達は連れてこないようにしてくれないか」
  
 美也子「はいっ」振り向いて「あんたたち、これからしばらくあたしとは別行動よ!」
 と、つれないことを言う美也子。
 それでも、「ウッス、番長」と揃って頭を下げる手下たちがしおらしい。
 「失礼します」とか細い声で言い、そこから出て行く。だいぶかわいそうである。
 それと入れ替わるように真打登場と言う感じで、サキが入ってくる。入ってくるまで時間がかかり過ぎているようだが、やはり決断するのに時間が要ったのだろう。
 先を目ざとく見つけて飛んでくる山口。
 山口「君も今日からここへ?」
 サキ「ええ、わたしもこのクラブへ入りたいんですけど」
 かなりラフな感じでモデルになろうとするサキだが、
 山口「そう、君も一緒に見学に来たら?」
 サキ「はいっ」
 ここでは、モデルとして採用するうんぬんの話はせず、とりあえず見学しようと言うことで話がまとまる。
 まあ、考えたらサキは「潜入」さえすればいいわけなので、サキとしてもモデルになる気はなかったのかな。単にモデルクラブと言うきらびやかな世界が苦手だっただけで。
 この時、後ろに女子高生が見切れている。
 山口を穏やかならない目で凝視している。
 これが、最初のコンテストのシーンで衝立の横から覗いていた人だと思うのだが、さきほどは、このシーンのようにズームになって観客にはっきり分かるようには演出されていないので、一瞬幽霊に見えてしまったのだろう。
 次のシーンではそのモデルの撮影の様子。
 カメラのファインダーに、橘ゆかりを中心に、モデルたちが映っている。右端の手を挙げていないのが美也子。
 カメラマン「だめだめ、ちゃんと手を挙げて主役が生きてこないだろ、主役が」
 せっかく優勝したのに、端役扱いなので露骨に不機嫌そうな美也子。いかにも彼女らしい。
 なおここでは、ビキニである。
 カメラマン「美香ちゃんいいよ、その表情、ばっちり」
 面白い顔しとるな、カメラマン。
 さまになっている橘ゆかり。どうでもいいけど「おくりびと」にも出てるんだね。
 左端(ファインダーでは反転していたが)でいかにもやる気のなさそうな美也子。
 そのスタジオの隅には、経営者の山口やその仲間の大学生たちもいた。
 トップモデルだった川辺悦子が死に、クラブで企画している映画のヒロインについて品定めをしている。
 眼鏡「あの今後のコンテストの子は?」
 と、たるそうな美也子を見る二人。

 しかし、
 プロデューサー風「だめだめ、主人公の少女は、恋人の罪を被って自殺をするって役なんだぜ、コメディじゃないの!
 と、あっさり却下される。なんか美也子が哀れに思えてくる。

 眼鏡「どう、山口?」
 山口「いいじゃない、なかなか」
 だが、山口の視線は、
 遠慮気味に見学しているサキに向いていた。
 山口の声「あの子、いいよ」
 そして立ち上がって、サキの方へ歩いて行く。
 眼鏡「また出たよ、あいつの癖が」
 プロ「可愛い子となると、すぐあれだから」
 すっかり山口の行状に慣れている感じのふたり。
  
 にこやかにポーズを決めていた美香だが、スタジオの隅で愛しい山口とサキが親しげに話しているのを見て、表情を変える。
  
 早速、恋敵になりそうな新顔に近付く美香。
 美香「新しく入った人?」
 山口「ううん、ああ……」
 サキ「麻宮サキって言います、よろしく」いかにも野暮ったくペコリと頭を下げて挨拶するサキ。
 美香「あたし、中原美香、分からないことがあったら何でも聞きにきて頂戴」
 言葉は和やかだが、敵意のこもる目でサキを見詰める。

 山口は慌てたように「仕事、仕事」と美香をカメラの前に押し戻す。
 山口が軽く説教をしていると、突然、美也子が脱いだハイヒールを振るようにして、
 「やめたやめた、コンテストの優勝者が何でこんなことしなきゃいけないのよ」
 二人の間をわざと乱暴に通り、
 ロッカーにおいた自分の着替えの入った紙袋を取り出す。
 スポットライトが当たらず、ちょっと気に入らないことがあっただけですぐ職場放棄するあたり、いかにも美也子らしい。
  
 眼鏡「きみね、急に……」
 美也子「うるさいっ」
 ごちゃごちゃ言うスタッフを紙袋で払いのけ、
 「あたしは生まれつき主役しか出来ない女なの、深夜のタクシー待ちじゃあるまいし、いつまでも手ぇ挙げてられるか!
 と、ちょっと面白い表現で言い捨てると、さっさとスタジオを出て行ってしまう。
 さすがの山口もその短気には呆然と見送るしかなかった。

 翌朝、当然美也子の機嫌は最悪だった。
 手下「どうしたんです、番長、朝から一言も声かけてくれないなんて!」
 美也子「うるっさいわねえ、あんたたちは別行動だと言っといたろうっ!」
 忠実な部下たちに対していささかひどい言い草だ。
 手下が恐る恐る「あのう、モデルクラブで何か」とお伺いを立てると、
 美也子「ふん! あんなとこ、気障な大学生が、バカな女子高生たぶらかして遊んでるだけよ!」
 自分がなおざりにされたので、言いたい放題の美也子だが、少なくとも今回のモデルクラブに関しては、ズバリ核心を衝いた発言になっている。
 そのまま帰っていく美也子、叱られながらもついていくスケバンたちがいじらしい。
 その頃遊んでいる暇のないサキは、殺人事件の現場であるステージにいた。
 サキの声「灯りを消そうとすれば、舞台にいた人間にも簡単にできる」
 舞台上手の操作パネルのボタンを押すと、照明がついて明るくなる。
 舞台中央に向かって歩きながら、
 サキの声「一人が灯りを消して、もうひとり悦子のそばにいた人間が毒薬を入れたとしたら」
 と、まだドラマが始まったばかりなのに早くも事件の真相をほぼつかんでしまうサキ。さすが特命刑事である。
 そこで、いきなりまた照明が消え真っ暗になる舞台。
 サキはその場でじっと様子を窺う。
 やがてパネルの前に立った山口が「何してんだ、こんなトコで」と言いながら、またボタンを押し、ライトをつける。

 サキ「あっ、はい、別にただ……、あのっ、人が殺された場所ってどんなところかなぁと思って……」

 意外とアドリブの利かないサキは、言い淀みつつ、結局ほぼ事実を喋ってしまう。

 ここは、「ステージに立つとどんな感じかなぁと思って」とか、新米のモデルらしいことを言わねばダメである。

 自分でもまずいと思ったのか、最後に「好奇心で!」とわざわざ付け加えるサキ。かえって怪しまれるぞ。
 しかし山口はバカなので、
 「ふっ、ふふ、変な趣味だね。でも僕そう言う変わった女の子って好きだなぁ」
 怪しむどころか、その会話を糸口にしてナンパしてきた。
 話しながら、サキのそばに歩み寄り、
 山口「主役に考えていた悦子が死んで、僕もどうしていいか分からないんだ……なかなか悦子のイメージが消せなくてねえ」
 そしてサキの肩に手を置き、
 山口「どう? ボクの車で家まで送るよ」

 サキを主役にするんじゃないのかよ!
 それまでのもったいぶった口説からすると、そう言うことを切り出すのが自然だと思うが、まあ、モデルになったばかりのサキに一足飛びにそう持ちかけるのも、ちょっと変かも知れないが。
 サキも内心そう言われるのを期待していたためか、「えっ」と言う感じで振り返っている。
 次のシーンでは、普通だったらまず断っているだろうサキが、ちゃっかり助手席に座っている。
 夜のシーンだったせいか、カメラマンが後部座席に乗り込んで直に撮影している。
 ♪軽やかなBGM
 サキ「悦子さんに、何か恨みを持ってた人とか、いなかったんですか?」

 いきなり直球勝負のサキ。
 ここはまず相手に取り入るために、もっと軽い話題から入るべきだったろう。
 ただ、おぼこのサキにそこまで求めるのはないものねだりだろう。ある意味、こういう愚直な切り出し方はサキらしい。

 山口「ふっふふ、君刑事みたいだねえ、君に刑事は似合わないよ」
 もっとも、冗談交じりにサキの正体を勘繰られてしまうのだったが。

 山口「それより君、ほんとにこういう仕事に興味あるの?」
  
 サキの真意を探るような山口の言葉に、ハッとして振り向くサキ。
 山口「それ、その君の瞳さあ……その魅力的な……君ィ、僕を助けてくれないかなぁ」
 しかし続いて出た山口の台詞も、いまひとつピントがずれていた。

 ここは「その強い眼差しは何か別のことを考えてるように見えるんだけど」みたいなことを言うべきでは?

 ま、いいか。

 サキ「ええっ?」
 山口「悦子の代わりに、映画の主役やってみるつもりない?」
 この段階でさっきの話を蒸し返す山口は、言いながらサキの手に自分の手を重ねる。
 多分、こういう逃げ場のない状況で話を持ちかけたほうが断れないだろうと考えていたのだろう。無論、あわよくばそのまま自分のものにする計算も働いていた筈だ。

 んが、
 サキ「降ろしてください、あたし歩きます!」
 と、おぼこ娘のサキ、手を触られただけできっぱりと宣言するのだった。

 しかし、あんた捜査のためにモデルクラブに潜り込んでるんだから、そのくらいで怒っていては捜査にならないのでは?
  
 結局、言葉どおり車から降りたのか、ひとりで戻ってくるサキ。
 ここはモデルクラブの建物なのか、サキのマンションなのか、判然としない。さっきは車で送ってもらうつもりだったのだから、マンションなのだろうが、このエントランスなどは、2話などの外観と全く異なる感じがして、違う建物にしか見えない。あるいは、ここはモデルクラブで、この後、自宅に戻ったのか? ではなんのためにクラブに寄ったのか?

 とにかく、階段を上がっていたら、横からナイフが飛んでくる。ただし、攻撃のためではなく、くくりつけた手紙を読ませるためである。
 自分の部屋で文面を読むサキ。
 「二度と山口には近づくな 近づいたら 悦子と同じ目にあう」
 と言う脅し文句が書かれてあった。
  
 そこへ、不気味な足音が響いてきたので、闇の中で身構えるサキ。
 しかし、施錠されている彼女の部屋へ堂々と入ってくるのは、考えなくてあのお方しかいない。そう、神である。
 わざとらしくライターをカチリと点火して、顔をサキに見せる神。
 サキ「神恭一郎か……」
 勝手に入ってきて電気をつける神。
 サキ「みなよ、こんなものが飛び込んできたぜ、ちゃちな脅しだぜっ」
 神の非常識な行為には不感症になっているのか、怒りもせずに近付いて先ほどの手紙を見せるサキ。

 それに対し、「何者かが悦子にあてて同じような手紙を出してきた
 と言いながら、悦子宛の脅迫状を……原本ではなくコピーだろうが、サキに渡す。

 しかし、悦子は既に殺されているのだから、この場合は「出していた」とするのが自然だろう。
 サキ「じゃあこれが出した人間が(殺したのか)?」
 神「うん、その山口と言う男に接近していけば、多分その手紙の主が分かる筈だ……従って君には今後も山口との接触を続けてもらいたい」
  
 神の言葉に抗議するサキ。
 サキ「いやだっ、絶対イヤだね、あんな気障ッたらしい男!」

 いささか不自然なほどの拒否反応を示すサキ。確かにサキの嫌いそうなタイプだが、これは仕事としてやってるわけで、手を握られたくらいでここまで激しく反応するのはちょっと変かも。

 それに、あなたの目の前には山口以上に気障ッたらしい男が立ってると思うんですが……。
  
 神はそれに対して直接答えず、
 「解剖の結果、殺された川辺悦子は妊娠していることがわかった」
 と、告げる。
 サキ「妊娠?」

 ただ、明らかな殺人事件で解剖は当然すぐ行われたはずで、それを今になって教えるのもややおかしい。
 ま、サキのやる気がなくなるのを見越して、あえて黙っていたとか……。捜査上、知っておくべきことだと思うが。
 なお、この神の台詞も、「している」じゃなくて「していた」と言うべきじゃないかな。細かいことだけど。
 同じ女性として、さすがにショックを受けて、怒りを内に秘めているサキ。
  
 翌日、モデルクラブには、ちょくちょく背後に映り込んでいた例の女性が押しかけ、刃物を振り回して暴れていた。

 女性「お願い止めないで、あたし山口さんを殺して自分も死んでやるんだっ、死んでやるんだーっ」
 山口はバツの悪そうな顔で、しかしその場から逃げずに聞いている。
 女性「ちくしょおお、洋服買ってくれたのも、レストランで食事させてくれたのも、みんなー、みんなーっ」
 みんな、なんだったと言いたかったのだろう。自分の体目当てで、その餌だったと言うことかな。

 女性「山口さん、こうやって何人の女を騙してきたのよーっ、わたし知ってんだ、なんであんたがあたしに冷たくなったか、あなた、あなた悦子さんとーっ! そうなんでしょーっ!」
 後方に立って見物していたサキは、悦子の名前が出たのでハッとする。
 山口は結構たくさん好き放題に言わせてから、ナイフを自ら取り上げ、「早く帰りたまえ、もう君の顔は見たくない」と激しい調子で告げる。女性は泣き喚きながら、建物を飛び出して行く。
 美香「昔の恋人も、ああなるとみじめなモノね」
 サキと一緒に見ていた美香は冷たく突き放す。その口ぶりに少し驚いて振り返るサキ。

 今度は唐突に空港を飛び立つセスナ機が映し出される。
 あたかも飛行中のセスナ機に乗っているふうのサキ。
 あたかも操縦しているふうの山口。
 ま、彼の万能振りを表現したいのだろうが、いまひとつ伝わってこない。
 空を飛びながらも、退屈そうなサキ、得意満面の山口。意外と良いカップルになりそうだ。
  
 山口「かんぱーい」
 ひとっ飛びした後、おしゃれなレストランで祝杯を上げる二人。ただ、元スケバンの癖にキマジメなサキは、グラスは合わせたものの、口をつけずにテーブルに置いている。

 山口「この店ねえ、実はボクがオーナーなんだよ……あ、食べて」
 サキ「あっ」
 山口「セスナの乗り心地はどうだった? しかし嬉しいなぁ、君のほうから誘ってくれるなんてさぁ」
 サキの方から誘ったと言うことは、神の命令を忠実に遂行しているようでちょっといじらしい。

 サキ「お話があるんです」
 硬い調子で切り出すが、
 店長と言うか、支配人らしき男性が近付いてきて、
 支配人「これはこれは社長」
 山口「きみねえ、まだインテリア変えてないじゃないの、こんなおじんっぽいんじゃ絶対に客は集まらないって言っておいたのに」
 支配人「申し訳ございません、それではすぐに」
 山口「ああ、もういいよ、あんたクビ、ね、リリース。これからこの子と話があるから、とっとと消えて!」

 理不尽大王ぶりを発揮する山口。もっとも、インテリア変えてない彼も悪い。
 支配人「クビ? そ、そ、そんな社長、インテリアはすぐに……」
 青くなって弁解する支配人だが、
 山口「さて、話を聞こうかなぁ」と、無視してサキに話しかける。

 即座に撲殺したくなるほどにくたらしいシーンだが、山口の性格がとてもよく表現されていると思う。

 支配人は悄然と席から離れる。
 正義感の強いサキは、
 「ひどいことするんですね」とチクリ。
 なお、彼に買い与えられたのか、普段のサキとは異なるちょっと高そうな服を着ている。

 まあ、ストーリー的にはサキにも水着姿になって欲しいところだが、斉藤由貴さんではこれくらいが限界だろう。
 美也子の水着は、その埋め合わせだったのかもしれない。

 山口「ふっいいんだよ、あいつ親父の会社クビになってさあ、しょうがないからボクのところで使ってやってんだよ」
 あれ、だすれば、山口さん、意外と優しいところがあるのでは? 言い方は横柄だけどね。それに、その言い方からすると「クビ」と言うのは言葉だけで、実際はまだ雇い続けるつもりのようにも聞こえるし。
 サキ「でも」
 山口「今の社会構造はね、リッチな人間がますますリッチになるようにできてるんだよ、ハングリーから成り上がる時代ってのはとっくに終わったんだよ」

 山口の言ってることはある意味正しい。特に30年近く経った今では。
 無論、サキはその言葉には反感を抱く。
 山口「ボクだって、金儲けがしたいから事業を始めたわけじゃない。面白そうかなって思ったからだけさ……それがやると成功してしまう。あまり簡単なんで退屈してしまうんだけど、何故だと思う? それはボクがエリートだからさ
 山口の最後の言葉にますますムカつくサキ。
 ただ、性格的には最低の奴だが、実際に、大学生でモデルクラブを成功させているんだから、実業家として才能があるのは確かだろう。ただ、資産家らしい父親の援助を受けているとしたら、割り引いて評価すべきだが。
 山口「ボクと仲良くなった方が得だよ」
 と、そばに座ってなれなれしく肩に手を回すと、
 サキ、たちまち地金を表して、
 「ふざけないでよっ」とグラスの水を山口の顔にぶっかける。

 サキさん、潜入捜査の意味、分かってますか? 分かってねえだろうなぁ……。
 サキ「あたしはね、あんたみたいな男、だいっ嫌いなんだからー」
 余計なことまで付け加え、さっさと出て行くサキ。

 本音を隠して芝居ができないあたり、純情で可愛いじゃないかとも思う。
 もっともこれで、山口に近付いて情報を得る作戦はほぼ不可能になった。
 が、捜査の失敗をまるで自覚していない様子で、意気揚々と帰っているサキ。
 その服を平気な顔で着ているので、山口に買って貰った訳じゃなく、自分で選んで買ったのかもしれない。
  
 誰かの気配に振り向くサキ。この時、ちょっと目が潤んでいるが、さきほどの激情の発露にしては大袈裟なので、ちょっと違和感を覚える。
 と、いきなり黒装束の人物にナイフで襲われる。サキは身をかわし、ヨーヨーを投げて相手の手を傷つけて撃退する。
 ここでアイキャッチ。



Aパート Bパート 今週のチェック
 
  
 大学の山口のところへ美香から電話が入る。
 美香「あのこと話してしまいそうで……」
 山口「しばらくはボクのところに来ない約束だろう!」

 ややこれみよがしに手に包帯を巻いている美香。
 美香はサキのことで山口に嫉妬している様子だ。山口は「ボクの頭には君しかない」と調子のいいことを言うが、
 美香「えっ、ほんとに?」
 とコロッと騙されて笑顔になる美香。最初の印象と違い、意外と幼い感じで、可愛い。
 美香「行くわよ、行ってもいいでしょ、あなたのマンションに……」
 山口はどうもモデルに手当たり次第にちょっかいを出している様子。
 ただ、ここは誰でも出入りできるモデル事務所なので、その会話は背後に立つサキに丸聞こえだった。

 美香はさらに「自分を捨てたらみんなしゃべっちゃうから」と明らかに山口の弱みを握っているようだ。
 美香はそのまま山口のマンションへ向かうつもりらしいが、その際、手の傷をサキに見られる。サキはその傷で、昨夜自分を襲ったのが彼女ではないかと疑う。

 山口のマンションに入っていく美香。
 次のシーンでは早速抱き合っているふたり。
 ただ、子供向けのドラマなので実際にキスをするカットはない。美香の腰もややひけている。
 なお、橘ゆかりさんは背が高く、男の山口とほぼ同じくらいである。
 美香「ほんとう、あたしが映画の主役って?」
 恋に盲目の美香は、だんだん馬鹿っぽい顔になってくる。
  
 美香「これであたしも山口さんと付き合ってもおかしくない女の子になれる……」
 座って、いじらしいことを言う美香だが、既に売れっ子モデルとして活躍しているようなので、その台詞はちょっと違和感を覚える。
 それを受けて、山口もいけしゃあしゃあと「もう隠れて会わなくても済む……」と相手を喜ばすことを言う。

 山口「ただねえ、この映画の主役、恋人の罪を被って自殺する娘をやるにはまだまだ今の君では演技力が足りない……そこでだ、ボクが少し君を特訓したい」
 この映画、どのくらいの規模で企画されているのか不明だが、冒頭にマスコミから質問されているくらいだから、一応商業映画として制作するつもりなのだろう。だとすれば、やはり山口の父親が資本を出しているのだろうか。いくら繁盛していると言っても、新進のモデルクラブでは映画を作るには荷が重いだろう。

 あと、華やかなモデルクラブの作る映画にしては内容が暗過ぎないか?
 山口の提案に、
 美香「勿論、山口さんと一緒にいられるんだったら」
 と二つ返事でOKする。

 早速、山口の車で出掛けるふたり。サキもエントランスで見張っており、恐らく、バイクで追跡したのだろう。
 舞台はどこかの別荘風の建物に移る。
  
 本格的な録音機械が動いている。
 美香の声「そう私が彼女を殺しました……そう、だからあたしも死ななければいけないんです」

 今までにも見たことのあるような部屋で稽古をしているふたり。
 もっともらしい顔で台詞を録音したテープを聞いていた山口は「これならまずまずだ」と合格をだす。
 美香は「でも、どうしてこんなところで?」ともっともな質問をする。

 しかしそういうのは、ここに着いた時にしないか?

 山口は「気分転換さ」と言い訳にもならない言い訳をする。せめて「雰囲気のあるところで演技した方がいい」とか「周りに人がいると雑念がまじるから」とか、ちゃんとごまかすべきだろう。

 山口は何か飲まないかと言い、美香が「咽喉がカラカラ」と応じてくれたので少し離れたカウンターへ行き、
 ふたつのグラスにバヤリースを注ぎ、一方に何か薬のようなものを投じる。
 山口「君の主役決定を祝って乾杯だ」
 美香「乾杯!」
 グラスを合わせるふたり。
  
 が、いきなりヨーヨーが飛んできて、美香の持つグラスを叩き割る。普通は美香の顔もびしょ濡れになると思うが、一滴もかかってない。

 ここは、美香が毒入りグラスを口に近付け、それを山口がじりじりしながら凝視するという定番の演出が挿入されるべきだったろう。
 サキ「そいつは飲まない方がいいよ」
 ゆっくりとサキが入ってくる。

 ただ、この画像を見ると分かるが、あの扉の隙間から、美香の手元にヨーヨーを当てるのは至難の業と言うか、ほぼ不可能である。間に背丈くらいの衝立のようなものがあるからだ。
 サキ「美香、そいつを飲めばあんたも悦子とおんなじ運命さっ」
 そう断言したところからして、扉の影からこっそり内部を覗き見していたのだろう。
 美香「山口さん、どういうこと?」
 血相を変えて問い質す美香。

 ただ、この場合、さっきまでメロメロだった山口より、ほとんど知らないサキ、それもいきなり無断で入ってきたサキの言葉を信じると言うのは、流れとしてはおかしい。ここは一旦サキの言葉を否定し、それからサキがテープを聞かせて山口に対して疑問を抱くようにさせるべきだろう。グラスの中に毒が入っていたと証明するのが手っ取り早いが、時代劇のように金魚鉢はないからね。

 無論、山口はしらばっくれるが、
  
 サキは無言でヨーヨーを飛ばして、デッキの再生ボタンを押すという器用なことをする。

 美香の声「そう、わたしが彼女を殺しました……だからあたしも死ななければいけないんです」

 さっきの台詞が流れる。ただ、さっき、最後まで流れてから山口は停めただけだったから、巻き戻さないといけないのでは?
 サキは「これがあんたの遺言になるところだったんだよ」と言うが、そもそも、この台本は既に出来上がってるもののようだから、関係者ならみんな知ってる筈だろう。それと一字一句同じ遺言では、すぐ勘付かれると思うし、第一、遺言をテープに入れる人と言うのもあまりいないと思うんだけどね。

 サキは悦子は、共犯の美香が照明を消し、その隙に隣の山口が毒を悦子の飲み物に入れたと言う雑な推理を披露する。
 サキ「これが悦子殺しの真相さ、そうだね山口」
 この、「そうだね山口」と言う言い方が、それまでの女の子っぽい喋り方とギャップがあり過ぎて笑ってしまう。

 サキ「それも美香、こいつはあんたのために人殺しをしたわけじゃない、ただ妊娠した悦子が邪魔になっただけさ!」
 まあ、この場合、美香と言う共犯者がいるから抗弁しても無駄だと悟ったのか、山口は美香を突き飛ばすと、
 壁に飾ってあった剣をつかむと、それを振り回してサキを襲う。
 ここは斉藤さん本人が演じているので、正直かなりもたもたしている。
  
 サキはヨーヨーで山口の手から剣を叩き落してから、
 「麻宮サキ、またの名をスケバン刑事!」

 山口「デカ?」
 今回は「スケバンまで張った〜」と言う決まり文句は無く、今回のエピソードに特化したタンカを切る。
  
 サキ「エリート面した帝都大生、化けの皮を剥がしたら、けだものより劣るぜ! 純な女の子の心と命をオモチャにしやがって」
 サキ「地獄へでも落ちてもらいてえぜ!」

 うう、かっこいいね。
 もっとも、他の子はともかく悦子が純だったかどうかは怪しい気もするが。
 山口「ボクは本物のエリートだ。本物のエリートが邪魔な女の一人や二人殺してどこが悪いっ」
 うろがきたのか、意味不明のことを叫ぶ山口。

 サキ「地獄へ落ちなっ」
 だが、山口は意外としぶとく、花瓶や水牛の角やらをどんどん投げて抵抗する。
 最後は壁にかけてある銃を持って狙いをつける。
 普通は、そう言うのには実弾は装填されてないと思うんだけどね。
 今回もこんな至近距離で真正面から撃たれた銃をかわしてしまうサキ。
 サキはヨーヨーを投げて銃を叩き落し、
 サキ「山口、殺人及び殺人未遂で逮捕する」
 と、いつものあのポーズを決めてから、ヨーヨーを投げ、
  
 チェーンで手首をぐるぐる巻く。凄い眼になる山口。

 今回はへなちょこ大学生が相手なので格闘らしい格闘も無いが、剣と銃を抵抗して、いちいち武器を叩き落しているのが、同じような繰り返しになっていて、ここはどちらかひとつで良かったと思う。

 サキ「美香、あんたがあたしにナイフを突きつけてまで独占したかった男は、こんなやつだったのさ」
 サキの言葉に激しく泣きじゃくる美香。やっぱりうまいね、橘さんは。
 山口もうずくまって拳で床を何度も叩く。
 彼らを見詰めるサキの眼差し。
 そして、パトカーのサイレンのSEを流しつつ、縛られてこんな張り紙をされている山口の姿が映される。
 うーん、実に間抜けだ。

 それに、駆け付けた警察の人たちも、「私はエリートです」って言われてもなぁと思ったことだろう。
 で、サキがそこを離れるシーンすらなく、「つづく」のだ。

 今回、Aパートがとても長くて、その分終盤がだいぶ急ぎ足になってしまった感じだ。
Aパート Bパート 今週のチェック
週の恭一郎チェック
・最初にサキに「モデルになれ」とむちゃぶりをし、中盤では夜中にまた勝手に部屋に入り込んでくる。変態だ。
今週の三平チェック
・いません。
今週の暗闇指令チェック
・今回もビデオレターで、声だけの登場。
今週の突っ込みどころ
・現場の状況から、容疑者は悦子と同じ席にいた数人しかいないと思うのだが、警察がちゃんと捜査をした形跡は見られない。

 また、そもそも美香は最初から悦子殺しに手を貸しているのだから、山口が彼女を殺したのは分かっていたはずで、それを承知で彼に恋心を抱いていると言うのも変である。

・結局、最後の別荘ふう建物は、誰の家だったのだろう。山口の父親の所有だろうか。
 
今週のまとめ
・冒頭の美也子の水着サービスや、モデルクラブの華やかな様子など、眼に心地よいシーンが多い。エリート意識の強い山口のキャラもいささか極端だが、面白い。ただ、サキは実質的にはモデルとしては何もしていないので、その辺で右往左往する彼女の姿が見たかった。ミステリー要素も、アクション要素も希薄だが、橘ゆかりの存在が救いだ。

・今週の評価★★★★☆(4/5)