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第02話 帰ってきた不良少女サキ!
Aパート Bパート 今週のチェック

 
 第2話だが、実質的には今回から第一部のレギュラーが勢揃いし、本格的に物語がスタートすることとなる。

 幕開きは、最終話までサキのホームタウンになる「鷹の羽学園高等学校」の正門、登校風景から。
  
 朝っぱらから「どけどけどけーっ」と、怒鳴りながら人を掻き分けてダッシュで学校へ向かう女子高生の川上登美子(演・金子美香)
 生徒にぶつかってこけると、「いてえなー、何処見て歩いてんだ、バカヤロー」と、口汚く罵る。相手は誰か不明。
 彼女が勇んで駆け込むのは、不良少女たちがたむろしている部室。ドアのところには新体操部員募集の貼り紙があり、室内にはフープ
が見えることから、新体操部の部室なのは間違いない。しかし、彼女たちがそう言う活動をする様子は一切ないので、休部状態の部室を
勝手に使っているのか、早朝の人のいない時間帯に使っているだけなのか、わからない。

 美也子「何よ、うるさいわねえ」
 登美子「サキが、サキが戻ってくるよ、サキが!」
 彼女はそれを伝えに急いでいたのだ。しかし、どこからそんな情報を得たのだろう?
 美也子「なんですって!」
 この学校のスケバンである夢小路美也子(演・渡辺千秋)。さすがにそんな苗字は実在しないと思うが……。
 美也子といえばコンパクト、コンパクトと言えば美也子と言う訳で、初登場時からコンパクト片手に化粧を直しているのだった。

 オープニングタイトルの後、
 廊下をどたどたと物凄い形相で走ってくる教師たち。
 先頭は、レギュラーとしてかなり出番の多い沼先生こと、平泉成。
 そして、第二部でいつの間にかいなくなってしまう高木先生こと、児島美ゆき。
 彼らはスケバンだった麻宮サキが復学すると知り、校長のところへ直談判に来たのだ。
 沼「どういうことですか校長っ! こともあろうに麻宮サキの復学を認めるなんて! 私は絶対反対です!」
 ドンと机に拳を叩きつけ、吠える平泉成。
 しかし、彼の演技は、特に序盤、やや空回り気味である。
 続けて「そーですとも、大体あの子は退学させた筈じゃございませんの! 一度退学させた生徒をまた引き取るなんて、も、あたしきーいたこともございませんわ」
 類型的な熱血教師と、教育ヒステリーふうのオールドミス女教師。このコンビは第一部でのコメディリリーフ的存在だ。
  
 「ねえ皆様、ねぇー!?」
 と、右へ左へ、腰を捻って訴える姿はかなり笑える。
 「ハレンチ学園」で反体制的なヒロインを演じた児島さんがこういう役をやっているのが面白い。
 その他大勢の教師たちからも賛同の声が上がる。
 時代劇や特撮ヒーローの脇役でお馴染み、河合弦司さん演じる校長は、周囲から責められるが、静かにしろと一喝してから、

 「教育委員会から、いやもっと上の方から、もし麻宮サキの復学を認めなければ、わが鷹の羽学園の学校法人の認可を取り消すと、理事長のところへ脅しがかかってるんだ!」
 高木「まあ」
 沼「どういうことですか?」
 校長「分からんよ、背後で途轍もない大きな力が動いていることだけは確かだ」
 と、意外な事情をあっさりみんなにばらす校長。いいのか?

 無論、その正体は、「暗闇指令」とその組織なのだろうが、そんな横紙破りをさせてまでサキを元の学校に復学させる必要はないように思える。もっとも、サキ自身が元の学校に戻りたいと駄々をこねた可能性は高い。しかし、単なる元裁判官である「暗闇指令」が、一体どのようにしてそんな強大な権力を得たのか、シリーズを通しての疑問である。

 また、これによって沼はサキの背後に何か大物がいることを最初から知っていたことになるのだが、その後、そういう点について彼が言及するシーンはない。
 サキの在籍していた2-Bは、早くも恐慌状態。小さいのでわかりにくいが、この画面に、クラスメイトの中でもレギュラー扱いの4人が全員映っている。三平だけ、ひとり漫画雑誌に没頭しているのが彼らしい。三平は、サキが退学後に転校してきたらしいので、彼女のことを知らないのだ。

 (菊地陽子)「ねえ聞いて聞いて、麻宮サキがあたしたち2年B組に戻ってくるんですって!」
 太郎(小野寺丈)「えー、やべえよ、あいつが来たら地獄だぜ!」
 大袈裟なほど恐慌を来たす生徒たち。
 教室へ入って来た沼先生に群がり、噂の真偽を問い質す。

 ただ、サキが現役の頃、具体的にどんな凶暴ことをしていたのか、具体的なイメージとして伝わってこないのが残念だ。斉藤由貴さん、どう凄んでみたところで怖くないからなぁ。

 ここでサブタイトル。
 そしてサキが、バイクに乗って学校にやってくる。無論、運転しているのは斉藤由貴ではない。
 復学初日からいきなりパイク通学と言うのもアレだが、バイク通学のシーンがはっきり映るのは今回くらいである。
 この日は単に遅刻して、急いでいただけなのかもしれない。
 教室では、生徒たちが沼先生に不満を訴えていたが、沼先生は「俺にもわからん、学校が決めたことだ」と責任回避。
 と、早くもサキのバイクのエンジン音が聞こえる。
  
 学校の敷地内で、しばらく威嚇するように空ぶかしをするサキ。
 サキは、スケバンから足を洗うつもりだったと思うのだが……。
  
 やがてゆっくりとバイクから降り、重そうにヘルメットを脱ぐ。
 視線を上げたまま、ライダースーツのファスナーを下げると、下からセーラー服が覗く。かなりごわごわしない?

 その様子を、不安そうに教室の窓から見詰める生徒たち。
 ひとり三平だけは、「かっこいい〜っ」と逆に嬉しそうに歯を剥き出す。
 三平の左隣の子が役の菊池陽子さんで、彼女は「セーラー服反逆同盟」第4話にもゲスト出演している。
 その奥が、一子役の立原麻衣さん。 
  
 赤い靴下も可愛いサキ、校舎に入り、階段を降りた先の、ちょっとしたスペースを歩いていると、前方からいきなりラグビーボールが飛んでくる。美也子の手下が投げたものだったが、サキはそれを蹴り返す。
  
 矢継ぎ早に、美也子の手下が二人、竹刀を持って「てめえー」とか叫びながら襲い掛かってくる。
 サキはその二人をあっさりいなす。
  
 別のひとりが、金属バットを振り回してサキに迫る。
  
  
 彼女がガラスケースにバットを突っ込ませた隙に、カバンでバコバコ叩くサキ。

 最初、カバンで頭を殴られたとき「いてっ」と実感のこもった声を上げるのだが、これって本気で痛かったんじゃないだろうか。
 復学早々奇襲攻撃を受けても全く動じることなく、ほとんど無表情で応戦するあたり、サキのずば抜けた強さが窺えるシーンである。

 そこへ「やめろぉっ!」と、沼先生の大喝。
  
 サキ「沼先生……」
 だが、彼はサキではなく、近くのトイレに隠れている美也子に告げる。
 沼「夢小路、そんなところに隠れてないで出て来い!」
  
 サキが振り向くと同時に、意外とあっさりと美也子(と登美子)がトイレから出てくる。二人の視線がガキッとぶつかる。
  
 美也子「すいません、あたしは止めたんですけど、あの三人が勝手に……ねえ、先生、許してぇ」
 弁解しながら、沼に甘えるようにもたれかかる美也子。

 沼は「よせぇっ!」と物凄い形相で美也子を突き放す。童貞なのかな。
  
 サキ「夢小路美也子、まさかあんたが番を張っていようとはねえ……」
 かなり意外そうなサキ。と言うことは、美也子は以前は普通の女子高生だったのだろうか?

 美也子はコンパクトを出して化粧を直しつつ、
 「ふん、最近のスケバンはねえ、力だけじゃダメなのよ、あたしみたいに美しくないとね」

 力でも美しさでも、完全にサキに負けてますが……。
 沼先生、バシンと竹刀で床を叩いて、「いい加減にしろ!」

 沼「二人ともちょっとでも問題を起こしてみろ、この俺が許さん! 麻宮サキ、特に貴様からは絶対に目を離さんからな……入学届けを事務室に出してさっさと教室へ行け」
 言われたとおり事務室へ行き、転入手続きをしているサキ。しかし、身元保証人と言うか、保護者などは、誰になってるんだろう。やっぱり神サマなのだろうか?
 ちなみにその対応をする事務員が、高畑淳子さん。
  
 事務員「あらっ、あなた左利きなのね?」
 サキが左手で書類に記入しているのを見て、いささか大袈裟に驚く事務員。
 斉藤由貴自身、左利きらしい。
 手続きが済んで、ぺこりと頭を下げるサキ。手がお腹の前であわされているのが妙に可愛い。
 それはいいのだが、その後、彼女と別の男性事務員(大木正司)がいかにもワルモノっぽく顔を見合わせるのはやや勇み足。
 高畑さんだけなら、善か悪か判然としないが、この人が出たら、どう考えても悪だと分かってしまう。

 残念なのは、この後、サキがクラスに戻ってくる大事なシーンがカットされていること。次にはもう下校シーンになってしまう。
 生徒たちの反応など、ここはドラマとしても作り甲斐のあるところだと思うのだが……。
 放課後、サキがライダースーツをまた着て、帰ろうとしているところに、三平が近付いて、

 三平「麻宮君、俺、野分三平、俺、強い女って弱いんだよな。ね、今度デートしてくんない?」
 と、初めて会ったサキに馴れ馴れしく話しかけてくる。
 しかし、この台詞だと、サキは教室に入らないまま帰ろうとしているように見える。サキが教室に来ていれば、積極的な三平、その時にデートの誘いをしてる筈だからね。

 三平「返事は?」
  
 しばし三平を見詰めてから、べっと舌を出すサキ。可愛い……。
 ギョッとして面白い顔になる三平。
 いきなりだが、このドラマの成功は、実はこの三平くんに負うところが少なくないのである。
 サキはそのままバイクを発進させる。
 サキ、なんかえらく高そうなマンションに居を構えていた。

 「セーラー服反逆同盟」のユミちゃんもそうだったが、ここの家賃、誰が払ってるんだろうと言う疑問がつきまとう。
 サキの家に、財産があるとも思えないし、サキがバイトをしている形跡もない。
 スケバン刑事の報酬として、組織に払って貰っていると考えるのが自然だが、それにしても一回だけでずーっと面倒見て貰うのは虫が良過ぎる。この時点では、サキはもうスケバン刑事の仕事はしないという腹積もりだったのだから。
  
 サキの部屋には先客がいた。猫を抱いた神サマであった。
 サキ「神恭一郎……! 何の用? もうあたしとは関係ない筈だわ!」
 サキ「ムク、こっちにおいで」
 ムク「なぁ〜お」
 サキは飼い猫を抱き上げる。
 猫を取られて寂しそうな神サマ。しかし、勝手に入っていると言うことは、ここの合鍵を持ってるってことだよね。組織が用意したものだろうから、当然ではあるが。
  
 神「新しい指令が出た」
 サキ「ええっ?」
 ムクの首輪の受信機が光ってピピピピピと音を出す。

 このムク、序盤に少しだけ出てくるが、すぐに「いなかったこと」にされてしまう。
 暗闇指令の声「サキ、元気でやってるかね、君が鷹の羽学園に戻れたと聞いて私は嬉しく思ってる」
 醒めた表情で暗闇指令の言葉を聞いているサキ、ムクを抱いたまま椅子に腰掛ける。
  
 そして執務室からサキに話しかける暗闇指令のシルエット。前回は録音テープだったが、今回はリアルタイムで話しかけている。

 暗闇指令「そこで、考えた末、君のような優秀な人材を放っておくのはもったいない。続けて刑事の仕事をやってもらうことに決定した」
 サキ「そんなっ! 刑事の仕事はこの間の一回限りって約束だった筈よ!」
 当然ながら、話が違うと激怒するサキ。
 ムクの首輪を外そうとするが、その手をパシッと神に掴まれる。
 神「母親がどうなってもいいのか?」
 と、サキに手の平の古傷を見せて、死刑囚である母親の件で露骨に脅迫する。
 それにしても、こうして比べると、神サマの手の大きいこと。

 1話での母親の逮捕、判決の言い渡しの回想シーンを再び挟んでから、
 神「どうしても協力しないと言うなら、明日にでも母親の死刑が執行される」
 と、滅茶苦茶なことを言い出す神サマ。
 サキ「卑怯よぉ! 母さんの死刑を無期延期にしてやるって、少年院で約束したじゃない!」
 神たちの違約をなじるサキ。

 ここで、今度は少年院時代のサキが特命刑事としてスカウトされた時の回想シーンになる。
 関東北少年院にて。
  
 神「たった一度特命刑事になって、我々に協力すると約束してくれれば、今すぐにでもここから出してやる」
 サキ「特命刑事? なぜあたしになんか?」
 暗闇指令「学園で起きた犯罪は警察もなかなか調べにくい。君のような人が潜入してくれれば誰も刑事とは疑わないからね」
 サキ「……あんた一体何者なんだ?」
 暗闇指令「そう、ある組織のものとだけは言っておこう。警察よりもはるかに力のある組織だ」

 サキ「一回だけ、本当に一回だけ手伝うだけで、母さんの死刑を中止にしてくれるんだね」
 サキが念を押すと、暗闇指令は机からを一枚の書類を取り出して見せ、
 暗闇指令「お前の母親の死刑執行許可証だ。これが私の手元にある限り、死刑は執行されない!」
 と、断言する。
 サキ「あれだけ固く約束したのに……騙したのね!」
 神はそれに関しては一切弁明せず、、明日午後1時に電話を入れるが、断ったり電話に出なかったりしたら、2時間後の午後3時にサキの母親の死刑を執行すると通告して出て行く。そんな御無体な。
 残されたサキは言葉もなく呆然と立ち尽くす。

 で、その頃、
  
 王子信用金庫に二人組の強盗が入る。ひとりはセーラー服を着たまま強盗していた。そんなやついねえよ。
  
 翌日、サキがその強盗犯の片割れとして容疑を掛けられる。

 サキ「あたしが銀行強盗ぉーっ?」
 沼「そうだっ、今朝方、警察へ匿名の通報があってな、貴様が犯人だと言ってきたんだ!」
 時代劇における自身番への投げ文であるが、そういうのは百パーセント出鱈目と相場が決まっているのだ。

 サキ「冗談じゃないわぁっ!」
 当然、サキは頭から否定する。
 刑事「とにかく、君のロッカーを開けてもらおうか」
 しかし、さっき暗闇指令が「学校がらみの事件は警察が介入しにくい」とか言ってたのに、ここではフツーに捜査してるんだよね。

 これは一種の家宅捜索なのだし、令状もなしにこんなことはできないだろう。そもそも匿名の電話と言う時点で怪しい。
  
 サキが左手でロッカーを開けようとすると、それを乱暴に掴んだ刑事が「ほう、君も左利きか、犯人のひとり、女の方も実は左利きだったんだ!」と、鬼の首でも取ったような勝ち誇った顔するのだが、左利きがそんなに珍しいか?

 もっとも、直後、ロッカーの中から、数個の札束が出てきたので、そう言う次元ではなくて完全に犯人扱いされることになる。

 これもなぁ……、鍵もかかってないロッカーに、そんなもん入れておくバカがいるか?

 ちなみにこの刑事、山野史人さんと言う吹き替えなどでも活躍していた俳優さんで、だいぶあと、15話〜16話でサキに殺人犯の濡れ衣を着せる刑事も演じている。ついでに、「セーラー服反逆同盟」17話では逆にニセ反逆同盟が罪に陥れられる際の被害者を演じている。
  
 で、次のシーンでは素早く留置所に入れられているサキ。ここでも赤い靴下がとてもキュート。
 分かりやすい展開だけど、これも当時の法律では、17歳のサキがいきなりこんなところにぶちこまれる筈がない。
  
 サキは昨日の神の言葉を思い出していた。
 サキ視点で「明日の午後1時に電話をする。電話に出なければ午後3時、母親の死刑を執行する」と話している若干ブルース・リーっぽい神サマの映像がインサートされる。
 サキは慌てて鉄格子に飛びつき、看守役の警官に「担当さん、あっ、担当さん、今何時?」と聞く。
 担当「喚かなくても聞こえてるよ。そこにあるだろ」
 サキが壁掛け時計を見ると、なんとその午後1時前ではないか。
 サキ「12時58分? 電話が、電話が……どぉーしよっ、どうしたらいいの?」
 ここの表情と台詞が、いかにも斉藤由貴さんっぽい演技で、母親の死刑と言う、とてもそんな深刻な事態に直面しているとは思えないのが良い。

 で、再び、「担当さん、担当さん、担当ーッ! 担当ーッ!」と連呼する。
 サキ「担当ーッ! 担当ーッ!!」

 なんか、クレーマーみたいだ。

 ここでCMへ。



Aパート Bパート 今週のチェック
 
  
 CMが開けると、既に2時半。檻の中で心配そうに往復運動をしているサキ。「担当」が戻ってきたのを見て、
  
 サキ「担当! ど、どうだったぁ?」
 担当「デタラメもほどほどにして欲しいね。神恭一郎と言う名前の刑事は、日本中のどこの警察にも存在しなかったぞ」
 どうやらCMの間に、「担当」に神恭一郎に連絡を取ってくれと頼んでいたらしい。

 サキ「だから最初から警察なんかじゃないって言ってるじゃない! もっと、もっと上の組織なのよぉっ! ほんとよ、信じてぇ、このままだと、母さんが死刑になっちゃう……待ってよ担当さん、本当に母さんが……」
 必死に訴えるが、「担当」はまともに相手をせず、向こうへ行ってしまう。

 サキ「お願い、あたしどうなってもいいから……」
 鉄格子を持ったまま、その場に崩れ落ちてしまうサキ。
 そんなサキの苦悩をよそに、「担当」は優雅に(漫画雑誌を)読書中。

 しかし、この「担当」、神恭一郎の在否を調べたと言っているが、そう言ってるだけで、実際は何もしていない可能性が大。情報化が進んだ今ならともかく、1986年当時にそんな短時間(1時間半未満)で全国の警察署に照会できるわけがないからね。

 そうしている間にも、時計の針は冷酷に動き続け、リミットの3時が迫ってきた。
 (午後3時、母親の死刑を執行するするするする……)と言う、神の言葉がサキの頭の中で響く。
  
 サキ「神恭一郎、何処にいるの、来てぇ、お願いだから! 助けに来てぇぇ!」
 涙をぼろぼろこぼしながら、神に呼びかけるサキ。
 願い虚しく、3時になる。
 サキ「母さん!」
  
 サキの脳裏を、踏み板がバタンと開き、絞首刑用のロープがぎゅぎゅっと締まるヤなイメージがよぎる。
  
 サキ「母さん……ううっ……」
 約束どおり、母親が処刑されたものと悲嘆に暮れていたサキの耳に、あの音……特別製ヨーヨーのワイヤーがしなる音が聞こえてくる。
 ここ、神サマがヨーヨーをしているというショットなのだが、ほんとに中康次さんがやっているのが、いまひとつはっきりしない。 
 サキが視線を向けた先に(シャレ)、すらっとした神の脚があった。
  
 ヨーヨーを受け止めて、神はサキに微笑みかけるが、 
  
 サキは険しい表情で、そっぽをむいてしまう。神はゆっくりしゃがみ込んで、
 神「お母さんの死刑は執行されちゃいない」
 と、あっさり告げる。

 人質と言うべき母親を死なせてしまっては、サキを特命刑事として働かせることは永久に不可能になってしまうのだから、彼らにはサキの母親を死刑にするつもりなど、端からなかったのだ。

 しかし、ことは肉親の生死である。サキの気持ちを弄んだ彼らのやり方はあまりに悪質である。
 もっとも、当のサキはそれを聞くとすぐ「神!」と尻尾を振って神に飛び付く。
 母親の無事を知って、それ以外のことはどうでも良くなってしまったのだろう。
  
 神「刑事を続けるんだな?」
 と、ヨーヨーを差し出して確認する神。

 サキ、じっと相手の顔を見詰める。
 これが神じゃなく暗闇指令だったら、サキ、思いっきりぶん殴っていただろうが、なにせ愛しの神サマなので、躊躇いつつ、ヨーヨーを受け取る。
 内心、ぶっ飛ばされるんじゃないかとハラハラしていた神、その安堵をおくびにも見せず、余裕の笑み。
 神「それでいい」

 神は、例の銀行強盗の女はわざと左利きのふりをして、サキに罪を着せようとしていた節があると話す。
 さらに、
 神「それからもうひとつ、ここを出たら鷹の羽のスケバンたちがお前を倒そうと待ち受けている。くれぐれも、自分の立場を忘れないよう」
 と、意味ありげな忠告をプレゼント。
  
 さて、三平君、一度言葉を交わしただけの相手なのに、律儀に警察署の外でサキを待っている。
 組織の力によってだろう、サキはあっさり釈放されて建物から出てくる。三平はすぐに駆け寄る。
 三平「麻宮クーン、良かった。疑いが晴れたんだね。腹が減ったろう、俺、何かご馳走するよ」
 と、曇りのない笑顔で話しかける。相変わらず、サキは無言。
 と、彼らの前に、神の言った通り、美也子たちが現れる。
 美也子「サキ、待っていたわ」
 で、次のシーンでは早くもどこかの球場のスタンドで戦っている両者。
 もっとも、のっけから美也子たちは我先にとサキから逃げ惑っている。

 まあ、さっきの戦いを見れば、彼らがサキの敵でないことは分かりきっているのだが。
  
 お腹をチラッとと見せつつ、手下の一人にチョップを放つサキ。
 無邪気にサキの強さにわくわくしながら見物中の三平。
 部下を叩きのめされた美也子は、「言うだけ番長」なので、じりじりと近付くサキに気圧されて後退する。
  
 サキ、美也子の体をフェンスに押し付ける。横からちょっかい出そうとする手下を頭を振って威嚇するサキ。
 だが、そこで、
 サキは、スタンドに神の姿を認め、動きを急に止める。

 さっきの意味深な言葉は、特命刑事としての身分上、あまり派手なことはするな、という警告であった。
 ただ、元々スケバンとして名を馳せていたサキが、ここで美也子たちをぶちのめしても、その後の職務に影響があるとも思えないが。
 サキは、不貞腐れたような顔で、戦うのをやめてしまう。
  
 美也子「てめえー」
 無防備なサキをここぞとばかりにぶん殴る美也子。
 そして「やっちまえ!」と、手下たちに命じる。
 美也子も手下たちも、サキの不自然な態度の急変に疑問を感じるほどの脳味噌は持っておらず、今までの恨みとばかり、サキをさんざんに痛めつける。
 サキはひたすら無抵抗で耐える。
 見かねて、三平が「サキ、だいじょぶか、サキ!」と助けに来る。
 美也子「やったやった、あたしたちサキに勝ったのよね」
 手下「信じらんない、あたしたちが勝つなんて!」
 などと、無邪気に喜ぶ美也子たち。
 今気付いたけど、このシーン、ナンバー2の川上さんがいないね。スケジュールの関係かな。

 美也子「これであたしが名実ともに鷹の羽学園のスケバンだわ。やいサキ、これからはあたしに楯突くんじゃないよ」
 嘲笑いながらその場を去っていく美也子たち。

 三平「わざと負けたんだろう? どうして〜?」
  
 サキはやがて押し殺したような笑い声を上げる。

 サキ(神、言われた通りわざと負けたぜ、今まで一度も負けたことのないこの麻宮サキが初めて負けたんだ……満足だろう)
 顔を起こした視線の先には、
 小さく頷く神の姿が。
 結局、サキってば、神サマに気に入られるのがひとつのモチベーションになってるんじゃないのかな。
 その後で、三平の質問に答えるサキ。それが記念すべき、三平への最初の台詞となる。
 サキ「突っ張るのに疲れたんだよ、今日からあたしは普通の女の子になるのさっ」
 三平「ええっ?」
 サキ「三平君、今日はほんとにどうもありがとう、でもぉ……今はひとりにしといてくれない?」
 その宣言通り、急に猫撫で声になってお願いするサキ。
 三平「なんだよ、急に可愛い声出しちゃって……ほんとに普通の女の子になるのか?」
 サキ「そうよ」
 三平「分かったよ。じゃっ!」
 三平、あえてくどくど聞かずに、自分のカバンを持って爽やかに去る。

 この三平君の純朴さが、殺伐としたドラマの清涼剤になっていることを強調しておきたい。
 まあ、殺伐とするのは、二部になってからだけどね。
  
 笑顔で三平を見送ったサキ、刑事の顔になって唇の血を拭う。
  
 立ち上がり、勇ましいBGMを背に、歩き出すサキ。
 この辺は、まるっきり、「必殺シリーズ」で仕事人が殺しに赴く時の感じだ。
 目的地に着いたサキ、手の平の十字の傷を改めて見詰め、その手にグローブを嵌める。
 さて、学校事務員の高畑淳子と、その相棒の大木正司が、とあるマンションの地下駐車場に通じる階段を降りてくる。
 大木「上手く行ったな、しめて1億、これで使い込みの穴も埋められる」
 高畑「ふっふっふ、でも麻宮サキに罪を被せるとは良い考えだったわね」
 時代劇の悪役よろしく、自分たちの悪事を大きな声で喋りながら、車へ向かう。

 だが、その時、キュルルルルル……と言う金属のしなるような音が聞こえる。
  
 不審に思った二人がふと横を見ると、留置されている筈のサキの姿があった!
 大木「き、貴様は……!」
  
 サキ「鷹の羽学園2年B組麻宮サキ、またの名は、スケバぁン刑事(でか)!」
 名乗ってから、威嚇するように大木の額すれすれにヨーヨーを投げる。
 大木「いてっ」(註・言ってません)
  
 戻ってきたヨーヨーを受け止め、桜の代紋をパカッと開いて悪人たちに見せ付ける。
 実際に使っているヨーヨーにはそんな仕組みはないので、これは別撮りの専用ヨーヨーである。
 大木「あっ、桜の代紋……」
 思わず泣きそうな顔になる大木。
 サキ「スケバンまで張ったこの麻宮サキが、何の因果か落ちぶれて、今じゃマッポの手先……笑いたければ笑うがいいさ!」
 サキ「だがなぁ、てめえらみてえに金のためなら強盗もいとわねえなんて、そこまで魂は薄汚れちゃいねえぜ!」

 うーん、しかし、「強盗」ってそもそも金のためにするものだからなぁ。そんなこと言われてもなぁ〜、などと揚げ足取り。
 二人が強盗の際に人を殺していたら、「金のためなら人殺しもいとわねえなんて」って言えたんだけどね。

 大木「強盗、何を証拠に?」
 当然、大木はしらばっくれるが、
  
 サキ「あたしが左利きだと知ってるのは、鷹の羽学園ではその女だけなんだよぉ!」
 と、高畑を指差す。サキが書類を書く時、わざわざ「あなた左利きなのね」と喋っていたね。

 しかし、旧知の沼先生や美也子とかも、当然そのことを知ってるだろうと思うのだが、ここで、サキは自分が左利きになったのは、少年院でリンチにあって、右手の骨を潰されたからだと、いかにも今思いついたような裏設定を話すのだった。しかしその割には、アクションシーンとかで、普通に右手を使ってるような気がするのだが……。
 男「うるさい、そんなことが証拠になるかぁ!」

 仰せ御もっとも

 しかし、サキ、ほんとにそれだけで彼女を犯人と断定してここにやってきたわけで、ある意味むちゃくちゃである。
 ここは恐らく、高畑事務員の住んでるマンションなのだろう。二人は男女の関係なのだろうか?

 サキ「そうかい、そこまでシラをきるんなら……」
 サキはヨーヨーを飛ばし、大木の持っているカバンを開かせる。
 何よりの証の盗んだ金が出てきて、万事休す。

 ところで、少なくともこの事件については、別に特命刑事のサキがやらなくても普通に地元の警察が解決すべきなんじゃないの?
 ま、濡れ衣を着せられたサキ自身に、カタをつけさせようという神の配慮かもしれない。

 二人は車に乗って、サキを轢き殺そうとするが、
  
 ジャンプしたサキ、ヨーヨーでフロントウィンドウを砕き、車は方向を見失って壁に激突。
 しかし、このシーンは要所要所のカットを紙芝居のようにつないでそれっぽく見せてるだけで、ちょっと物足りない。
 まあ、屋外ならともかく、駐車場だからね。
  
 サキ、いつものポーズで、ヨーヨーを投げる。
    
 仲良く二人の手首をチェーンで縛って捕獲完了。
  
 チェーンを切ると、ヨーヨー本体が転がってサキの足元に戻ってくる。
 ヨーヨーを拾い、無言でその場を去って行くサキ。
 この後、神の連絡を受けた警察によって二人は正式に逮捕されたのだろう。
  
 坂道の向こうからずんずん歩いてくるサキ。手間には、ポルシェによりかかるコート姿の神。
  
 だが、サキは神を見ようともせず、ひたすら前を向いて通り過ぎる。
 神も、無言で車に乗って走り出す。

 そして「つづく」。

 ハードボイルドっぽくてカッコイイが、特に序盤は、こういう唐突な終わり方が多いのだ。





Aパート Bパート 今週のチェック
週の恭一郎チェック
・女子高生のサキの部屋に勝手にあがりこんで猫と戯れる、サキの手を握って熱く見詰める、留置場のサキのところへヨーヨーをしながらやってくる、トレンチコート姿でサキの行く手にしょっちゅう現れる、など、やたら変質者的なシーンが多いが、彼の出番自体、かなり多い。第一部の中では最も登場場面の多いエピソードかもしれない。
今週の三平チェック
・三平は今回が初登場で、以後、神と並んで唯一、最後までレギュラー出演するサブキャラとなる。

・初対面のサキに馴れ馴れしくデートを申し込んだり、警察署の前で出待ちをしていたり、なかなか積極的な男子である。
 ただし、スケバン同士の喧嘩は見てるだけで、自身は暴力は苦手の模様。
 今回はあまり見せ場はない。
今週の暗闇指令チェック
・結局2回しか使われなかった、猫のムクの首輪に取り付けられた通信機で、サキに身勝手な命令を出す。

・シルエットながら、長門裕之が初めて画面に登場。
 回想シーンでは、警察よりもっと権力のある組織に属していると明言するが、その具体的な実態については最後まで説明されない。
今週の突っ込みどころ
・サキが左利きだということを知っていただけで、真犯人にされる高畑淳子さん。
 それだけで捜査も何もしないで突撃してしまうサキもサキだが、サキに罪を着せようと、左利きのふりをしながらセーラー服を着て銀行強盗をする高畑さんも高畑さんである。彼らにとって幸いなことに、サキにはアリバイがなかったから途中まではうまく行ったが、アリバイがあったら何の意味もない偽装だったろう。

・サキは、前回の任務を果たしただけで、少年院から出られ、母親も死刑停止で、その上元の学園に復学、バイクに猫もいて、高そうなマンションで優雅な一人暮らし、などという都合の良い報酬が得られると本気で思っていたのだろうか?
今週のまとめ
・サキが鷹の羽学園に戻ってきて、三平以下、レギュラーキャラも勢揃いして本格的に物語がスタートする。
 しかし、暗闇指令や神のサキへの要請はかなり強引だし、銀行強盗も唐突な感じが否めない。アクションもごく簡素だ。
 一方で、母親のことを心配する斉藤由貴さんの魅力は十分に引き出されている。

・今週の評価 ★★★☆☆(3/5)