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第17話 鷹の羽学園は燃えているか
Aパート Bパート 今週のチェック
 
 反射的に「いいえ、燃えていません」ととりあえず応じてしまうサブタイトルの第17話。

 第二部のスタートから、11〜12話、13〜14話、15話〜16話と言うように二話一組のエピソードが続いており、この17話と次回の18話も形式的にはその範疇に含めて良いかと思うが、内容的には17話と18話のつながりはそれほど密接ではない。

 ちなみにもうこの辺から従来の「鷹の羽学園」での平和な授業風景と言うものは見られなくなってくる。

 冒頭、いつものようにざっと15〜16話のあらすじを紹介した後、
  
 少年院から解放されて、神と海を見ているサキ。霧笛が遠く聞こえる。
 サキ「こんな綺麗な景色、二度と見られると思わなかった……毎日毎日鉄格子を見詰め、生き延びたい、生きてもう一度みんなに会いたい! それしか考えられなかった、それしか!」

 ここで、サキ、海槌家の陰謀で斃れていった三井会長、椎名純子、一子たちの姿を回想する。もっとも実際に死んだのは一子だけだ。
 サキ「学園に戻るよ! 一から出直しだ」
 決然と告げるサキ。一から出直し、と言う意味が良く分からんが……。
 神「待て、お前はもう鷹の羽学園に戻ることは出来ない。今度の事件で退学処分になった」
 と、その熱意に良く冷えた水をぶっかける神。

 あのう、でも、神サマ、前回の終わりに「サキ、鷹の羽学園に戻れ」とか言ってなかった?
 ただ、次の「海槌家に経営権を乗っ取られた」と言う一言で、一応辻褄は合う。つまり、前回の終わりの時点では、サキは何の処分も受けていなかったが(実際は、少年院送りになった時点で除籍されるのではないかと思うが)、戦いの後、サキがシャバに出て来るまでの間に、海槌家に買収され、ただちにサキが退学処分になったと言うことだろう。

 ……もっとも、別に「スケバン刑事」的には、「鷹の羽学園」に拘る必要はないと思うんだけどね。

 無情な宣告に、うろたえるサキ。

 ここでOPタイトル。
  
 飲み屋などが立ち並ぶ路地で、数人の不良少女たちにしばかれているのは美也子。彼女から喧嘩を売ったのだろうが、元々アイドル紛いの半端なスケバンである美也子は、実際はあまり強くないのだった。

 不良たちは美也子を嘲り笑ってから立ち去っていくが、その時の「ははははっほほほほっ」と言う笑い声がわざとらしい。
 その後、駆けつけて座り込んだままの美也子を抱きしめるのは、僕らの沼先生であったが、やっぱりその紅白ネクタイはトレードマークになってしまったらしい。
 沼「夢小路、どうした、しっかりしろ」
 沼「さっ、とにかく学校へ帰って傷の手当てをしよう」
 と、強引に美也子を抱き起こそうとする。その際、強く制服を引っ張ったため、赤いサスペンダー(?)ごしに美也子の素肌がかなり露出して、ちょっとエロティックである。
  
 美也子「誰があんな学校に!」
 激しく抵抗する美也子だが、ここでももうちょっとでおっぱいが見えそうでドキドキする(するなよ)。
 平泉成の左手が、思いっきり彼女の胸を揉んでいるようにも見えるし。
 沼「夢小路……変わったなお前も」
 と、その肩をがっちり掴むのも、なんかセクハラっぽい。
 振り向いて、
 「あちこち触るなよぉ!」

 じゃなくて、

 「分かったようなこと言うなよぉっ! 変わったのは学校の方じゃねえか!」

 彼女の台詞をきっかけに、ここ一ヶ月で鷹の羽学園の様変わりしたことが沼の回想的に描かれる。
 前回着任した教師のひとりが、生徒たちから没収した週刊誌やマンガ雑誌などを引き裂いては焼却炉に放り込んでいる。
 また、それまでいた生徒たちも次々と去り、かわりに裕福な家庭の子供たちが転入してくる。
 いちいちリムジンで登校してくる金持ち生徒たち。
 また、旧来の教師たちもビシバシくびを切られて行く。
 最初の頃から教師として出演していたこの人も、えー、名前忘れたけど、東映ドラマの脇役として欠かせない人も追放されてしまう。
 ほんとうなら、この段階で高木先生(児島美ゆき)も追放されるべきだったと思うが。

 しかし、海槌家の方針に従わない教師たち……と言うのなら、真っ先に沼先生が解雇されそうなものだが……私立校だから、辞めさせようと思えば簡単だろう。
 自分も学校を辞めたいが、素行が悪いので他に行くところがないと嘆く美也子。
 沼「ヤケを起こすんじゃない。一生懸命やりゃ必ず良い日がくる!」
 美也子「そんなこと言った日にゃあ、ババアになっちまうよ!」

 虚ろに笑いながら沼から離れていく美也子を映しつつ、サブタイトルが重なる。
 舞台は一転して、近代的なビルの中を神と並んで進むサキ。
 それぞれビジター用IDを胸に下げているのが芸が細かい。
  
 そしていかにもセットと言う感じの部屋に入ってくる二人。彼らの前には、こちらに背を向けて一人の男が立っている……。
 サキ「指令!」
 そう、今までその正体がはっきりしなかった暗闇指令が遂にサキの前に姿を現わしたのである。
 もっとも、サキはスケバン刑事にスカウトされる際に、直接指令と会っているので、これが初対面ではない。

 指令は「よく来たなサキ」と、割と素っ気無い対応。
  
 暗闇指令の指示で、神がボタンを操作すると、台の上のパネルが開いて、鷹の羽学園の模型が載った東京の地図が現れる。

 神「鷹の羽学園、そしてこれらの点滅している灯りは、今度鷹の羽に転校してきた金持ちの生徒たちの家のある場所を示している」
 サキ「鷹の羽の周りにこんなに大勢の金持ちの家が……」

 あの、その「金持ち」と言う表現、やめませんか? せめて資産家と言ってくれ。
 この期に及んで素顔を闇で包んでいる指令、
 「サキ、海槌家の最終目的はニッポン支配だ。金持ちの子供たちに洗脳教育を施し、やがて彼らが親のあとをついでニッポンの指導的立場に立った時、それを背後から海槌家が操ろうと企てている」と、胡散臭い説明をする。

 指令の語るのは、

 金持ち日本の指導者

 と言う物凄く幼稚な、いや、分かりやすい図式である。しかし、そんなエリートなら最初からそう言うエリート学校へ通ってると思うので、いくら六大財閥のひとつ海槌家でも、彼らを引っ張ってくるのは難しいのではないか? 仮にそんなこと(指導的立場にある親に指図する)が可能なら、そんなまわりくどいことをせずに、今すぐに彼らを、つまり日本を操ればいいのである。

 指令は、サキに鷹の羽学園に残っている生徒たち(つまり美也子や三平)をこれ以上脱落させないように陰からガードしてやれと言う、曖昧な任務を与える。
 うーん、でも、彼らを鷹の羽に留めておいても、スケバン刑事の任務には関係ないと思うのだが……。そもそも既に経営権を乗っ取られているのだから、いくらサキが支援したところで無駄だろう。その気になれば簡単に退学にできるはずだ。

 結局、ここでも指令は素顔を見せないままであった。
 一方、元から在校している32人の生徒を早く追放してしまいたいレミ。報告に訪れた先ほどの教師は、「それなりの理由がなければ退学に出来ない」と言う。
 レミは、自らその問題に対処すると言う。
 別に、32人ほど「金持ち」じゃない生徒がいても特に問題はないと思うが。
  
 サキは、いつにもまして眉毛がぶっといが、校外で三平に会っていた。
 サキ「えっ、一クラスにまとめられてるの?」
 三平「ああ、隅っこの教室に32人、まるで除け者だよ」
  
 サキ「ひどい」
 三平「それが我慢できるやつならいいけど、美也子なんてあれで結構プライド高いだろう?」
 サキ「それで不貞腐れて学校休んでるって訳ね」

 三平の台詞の「あれで結構プライドが高い」と言うのは、ちょっと引っ掛かる。美也子のプライドの高さは周知のことなので、ここは「あれで結構傷付きやすい」と言うべきだろう。

 ところで、このシーンは路上で撮影しているので、周囲に通行人がうようよいる。中でも、左画像の右後ろの赤い服のおばさん、しっかりこちらを見ているが、二人が話しながら手前に歩いている右画像でも、向こうの道を進みながら、こちらを凝視している……。
 さらに、左側の地下からの階段(?)をあがって、こちらに向かって歩こうとした男性が、何かに気付いて引き返す仕草なども見られる。多分、撮影しているのを見て、急遽方向転換したのだろう。ご協力感謝します。
 結構長いシーンなので、同じように不自然な動きをする通行人がいっぱいいる。

 三平「沼の奴が戻そうとして一生懸命なんだけど、ダメみたいなんだ。しかし沼もおかしなセンコーだよ、今までいた先生みんな辞めちゃったのに、校長と二人だけで頑張っちゃって」
 サキ「分かったわ、美也子は私が説得してみる」

 うーん、だから、それはスケバン刑事の仕事じゃないと思うが……。ま、いいけど。
 続けて今度はひとりさまよい歩く美也子の、夜間街頭ロケ。
 当然、擦れ違う人はガンガンこちらを見るが、時間的にはかなり短いのであまり気にならない。
  
 つまらなそうにぶらぶらしたあと、ディスプレーの前に立っていると、横から突然レミが話しかける。
 レミ「素敵なドレスね……あなたが着たらきっと似合ってよ……ごめんなさいいきなり声をかけちゃって……どうかしらあたしにどれかプレゼントさせてくれない?」
 美也子「えっ」
 学校では女王様然として振る舞っている美也子も、実際は庶民なので、こういう本物のセレブにはからきし弱いのであった。
 二人はその店の中へ入って行く。
 美也子「ほんとに困ります。あなた誰なんですかぁ?」
 ほんとに困ってるなら、ついてこなきゃいいのに……ここは、レミに強引に引っ張り込まれる感じじゃないとダメだろう。

 レミ「美しい人を見ると我慢できない人間、いいでしょそれで」
 美也子「そんなぁ」
 レミ「さ、着てみて」
 戸惑いつつも、満更でもなさそうな美也子がとても可愛い。
  
 試着室から出てきた美也子、レミに誉められて嬉しそうだが、ふと値札を見ると……
 美也子「なんじゃこりゃーっ!」(註・言ってません)

 美也子(割と冷静に)「やっぱり困ります」
 レミ「ダメ! 贅沢は美しい人間だけに与えられた特権よ……我慢したら美人じゃなくなっちゃう」
 と、いかにも美也子が喜びそうな言葉を並べるレミ。事前に彼女のことはきっちりリサーチしていたのだろう。
 さらに、美也子の学校からそのまま出てきたような素朴な足元を映すカメラ。これはこれで可愛い。
 レミは、靴も買わなくちゃと、あくまで強引である。
 根が図々しい美也子は、口では困ると言いながら、靴の色を訊かれて「赤がいいですぅ」と世にも幸せそうな笑顔を見せる。
 そして、店を出た後も、レミに自宅に誘われる。これが男だったら美也子も警戒するだろうが、相手はセレブっぽい女性である。
  
 いつの間にかメイクまで大人っぽいものに変わっている美也子。レミが車のドアを開けて「さ、乗って」招くと、
 美也子「もう〜夢でも構わない! こうなったら行くとこまで行くわ」
 あっさり陥落。
 ちなみにレミの「さ、乗って」のリップシンクが全然合ってない。
 と、美也子を探していたのだろう、サキが彼女が車に乗って行くのを見て追い掛ける。
 ここの、斉藤さんのどたどたした走り方は必見である。
 無論、車には追い付けないが、スケバン刑事のサキは咄嗟にナンバーを記憶していた。
  
 レミのマンションにいる美也子。夜景を見下ろしている。
 レミに呼ばれて振り返ると、食事の用意ができている。こちらはいかにもセットと言う感じなのが惜しい。

 料理を見て、「おいしそ〜いっぱい食べよう」と子供のようにはしゃぐ美也子。
 レミがまず乾杯しようとグラスにワインのようなものを注ぐが、アルコールかどうかははっきりしない。
 もっとも次のシーンでは早くもデザートが出てきて、実際の食事の様子はカットされている。
 レミ「あなた高校生でしょ? 学校は?」
 あえて痛い所を突くレミ。

 美也子「……」
 レミ「嫌なことがあるのね。ダメよ、逃げちゃ」
 と、「嫌なこと」を仕掛けている張本人が言うのだから、これ以上の皮肉はない。
 何でも相談してと言う優しい言葉に、「お姉さま!」とすっかりレミの虜になってしまった美也子。

 ここでアイキャッチ。



Aパート Bパート 今週のチェック
 
 さて、明らかに雰囲気の厳しくなった鷹の羽学園、
  
 何故かまだ在籍している太郎がこっそり「コンピューター教室」と言う部屋を覗き見すると、パソコンを使った授業が行われていた。

 教師「君たちは将来日本の指導者になる人間だ。コンピューターの操作も出来ないようでは困るぞ」

 特に困らないと思うが……なんで指導者が自分でプログラムを打たねばならんのだ。
 が、二人はすぐ警備員のような男たちに見付かり、残留組の教室に押し込まれる。
 沼「どうしたんだお前ら」
 太郎「先生、他の教室覗いただけで、殴られたんですよ!」
 沼「貴様らーっ」
 鬼の形相で警備員を睨むが、相手は白けた顔でさっさと部屋を出て行く。
 と、久しぶりに登場の準レギュラー照代(菊地陽子)さんが立ち上がって、
 「先生、あたしもうイヤ、こんな学校辞める!」と、訴える。ちなみに美也子の手下たちも残っているのが見える。
 彼女に追従しようとするものも声を上げるが、沼は「我慢するんだ」と押し止める。

 ただ、学校がこんな状態になった以上、教師として彼らを引き止めるのはちょっとどうかと思う。さっさと普通の学校へ転校して勉強した方が彼らの為だろう。

 沼「俺だって学校を辞めたい。しかし、お前たちがいる以上、ひとりでも学校に残っている以上、俺は絶対に辞めない!」
 なんか自己撞着してるような論法だが、生徒たちは何故か「先生!」「先生!」と、心を打たれた様子。
  
 そこへ、美也子が後ろのドアから入ってくる。
 美也子「冗談じゃねえよ! みんな我慢することはないよ」
 手下「番長! 帰ってきてくれたんですか」
 沼「夢小路……」

 平泉成の首のフォルムがなんとなく爬虫類っぽい。
 美也子「先生があんまりしつこく言うから帰ってきてやったぜ。みんなスケバンの美也子様が帰ってきたんだ。もう大丈夫。やられたらやり返す。それっきゃないだろう」
 沼「待て、そんなことをしたら……」
 美也子「先生は黙ってな! これはあたしたち生徒の問題なんだ」
 三平「どうしたんだ美也子、急に自信満々になっちゃって」
 と、美也子の豹変に疑問を投げるが、「うるさい」と一喝される。

 美也子「みんなでまとまってセンコーとやりあうんだ。数で勝負するんだよ。そうすりゃ学校側だって少しは考え直すさ」
 無論、これはレミに入れ知恵された結果である。美也子に彼らを扇動させて騒ぎを起こさせ、それを口実に彼らを退学にするためだ。

 美也子の提案に、手下たちを中心に拍手をして賛意を示す生徒たち。

 で、具体的には……、
  
 授業はなく、テストばっかり行われることに反発して、美也子たちが先頭になって教師に反抗する。
 照代さん(右)も尻馬に乗って答案用紙を投げつけたりする。可愛いね。
 三平はひとり戸惑っているが、レミに操られているとも知らず、いい気分の美也子。
 放課後、サキのところへ来て、美也子の変貌ぶりについて話す三平。そこへ電話がかかってくる。
  
 サキ「はい……あ、神」
 神「例のナンバーの車の持ち主が分かったぞ、海槌レミだ!」
 ポルシェ搭載の自動車電話で話している神。わざわざ車から出て話すことはないと思うが。
  
 サキは、美也子を呼び出して直談判する。考えたら、二人が一対一で会うのはこれが最初か?
 サキ「あんたが今やってること、すぐにやめてくれない? クラスをまとめて学校側とやりあうなんて処分の口実を与えることになるのが分からないの? 誰に吹き込まれたの?」
 美也子「はぁーふーっ(溜息)、あたしの考えたことさ」
 サキ「ウソ! あんたはねえ、騙されてるのかもしれないのよ! 言って! 誰の入れ知恵?」
 サキは美也子の肩を掴んで揺すぶる。

 しかし、サキは最初から美也子にそんなことを自分で思いつく頭がないと決め付けている感じで、やや失礼である。
  
 美也子は当然怒って、
 「なんだよっ!」と、サキを殴ろうとするが、もう普通の女子高生であるフリをする必要もなくなったサキの敵ではなかった。
 美也子「サキ、てめえっ!」
 サキ「言うのよ、美也子」
 結局、力尽くで口を割らせるサキでした。
 美也子はサキを、レミに招かれたマンションの一室へ案内する。
 美也子「ここに住んでる人よ。サキ、どうしても訪ねなくちゃダメ?」
 サキ「チャイム押して」
 有無を言わせぬ迫力で美也子に指図するサキ。美也子が無言でチャイムを何度も押すが、反応はない。
 美也子「留守だわ、帰りましょ」
 現実と直面せずに済んだので安堵したような表情になる美也子。
  
 美也子はさっさと帰ろうとするが、サキが手袋をはめる音に振り向く。

 サキは美也子の前でも構わずにヨーヨーを取り出す。
 美也子「なにすんのよサキ、やめなさいよ、もし間違ってたらどうする……」
 サキ「どきなっ」
 最後まで言わせず、美也子の体を突き飛ばすサキ。

 しかし、美也子の反応からするとサキの必殺ヨーヨーの威力をあらかじめ知っていたような感じである。確かにサキはスケバン時代からオモチャのヨーヨーを弄んでいたから、彼女がサキの特技がヨーヨーだとは知っていたかもしれないが……少なくとも、サキが今まで特製ヨーヨーを使うところは見ていないはずなのだが……。
 ここは、呆気に取られた美也子が横から「サキ、どうするのよ?」と言うくらいで良かったかな。
  
 サキは思い切りヨーヨーを投げて、ドアノブにチェーンをぐるぐる巻きつけ、ドアノブごと引き抜いてしまう。

 ……しかし、ドアノブひっこぬいても、ドアは開かないと思うのだが……?
 それに、こんなことしたら後で弁償しなくちゃいかんだろう。それこそ、管理人に警察手帳でも見せて、穏便に開けて貰えばいいのに。
  
 とにかくドアが開き、二人が部屋に飛び込むが、中はもぬけの殻であった。
 サキ「美也子、やっぱりあんたハメられてたのよ」
 美也子「そんな……だって、お姉さまとここで食事したのよ! どうして? どうしてぇーっ!」
 サキ「その女こそ、かつてあんたを痛い目にあわせた海槌あゆみの姉、鷹の羽学園を乗っ取った張本人の海槌レミに間違いないわ」
 サキはそう言うのだが、確かに美也子たちは13話で、鷹の羽に乗り込んできたあゆみの指導する綱紀粛正の被害を被ったと言えるかもしれないが、「痛い目に遭う」と言う表現は、その前の12話で、あゆみが送り込んできた三人の刺客に美也子たちがボコボコにされた経験にこそふさわしいのではないだろうか。まあ、その三人を操っていたのはあゆみだから、あゆみに痛い目に遭わされたとも言えなくはないが……。
 ここは、「以前、学園を管理下におこうとした」あるいは「あんたたちを排斥しようとした」あゆみ、と言うあたりが妥当ではないか。
 美也子「違うっ、あんた優しいお姉様が……嘘っ、嘘よーっ」

 動揺し、しゃがみこんで泣き叫ぶ美也子……しかし、レミとは高いもの買ってもらって食事を共にしただけの間柄で、それほど親密な関係まで発展したとも思えず、騙されたと知った美也子がこんな風に嘆くのはいかにもオーバーだし、彼女の勝気なキャラともそぐわない感じがする。

 ひょっとして……(以下、お下劣な想像を巡らせたため、自主規制)

 実際は、
 サキの心の声「許せない、人の弱い心につけ込むなんて……」
 と言う台詞からも、また、後の美也子の行動からも、美也子が実はかなり繊細で心が折れやすい女の子だと言うことなのだろう。
  
 しかし、一度火のついた生徒たちは、その後も「ボイコット! ボイコット!」などと、授業を拒否し、教師を追い出してしまう。
 ひとり三平は蚊帳の外で、タロウに「どうなってるんだこれは!」と訊いている。恐らく、三平がサキのところを訪れている間に、そう言う相談がまとまっていたのだろう。
 さらに、美也子の手下が「他のセンコーが来る前に、バリケード作ろうぜ!」と、その行動はますますヒートアップする。
 で、水も食べ物もないと言うのに、机や椅子、ロッカーなどで厳重なバリケードを築いてしまう生徒たち。

 なお、この展開、「セーラー服反逆同盟」22話で、スパイによって先導された2-Aの生徒たちが教室に立てこもってしまうシーンとそっくりだ。
  
 で、何故か沼先生も締め出されていた。かわいそ。一方で、学園側の思惑通りの事態になって、ほくそえんでいる悪玉教師たち。
 サキと美也子は連れ立って学園にやってくる。
  
 サキは単身、校長室へ駆け込む。さっきの三平の台詞から、沼以外に校長(河合絃司)も残っていると言うことなので、彼に助けを求めるつもりだったのだろうか? しかし、既にその校長の姿も消えていた。彼も学園から追い出されてしまったのだろう。

 机を叩いて悔しがるサキだが、そこへちょびヒゲ教師が入ってくる。
 教師「誰だ貴様! ……麻宮、サキ!」
 サキ「校長はどこへ行ったの?」
 教師「ふふふふっ、もう帰ってこない。辞職した。クビになったと言った方が正確かも知れんな。新理事長の命令でな」
 サキ「新理事長?」
 と、横のドアが開いて、レミが現れる。シリーズを通して、結果的に宿命のライバルとなる二人の最初の対面である。

 なおBGMは、「チャララーン」と言う出だしが有名な「トッガータとフーガニ短調」である。「反逆同盟」4話でも使われていたな。
  
 レミ「待っていたわよ、麻宮サキ」
 なんか、高橋ひとみさんの人柄の良さが滲み出てる表情ですね。
 レミ「あたしが新理事長の海槌レミよ」
 サキ「海槌レミ……」
 レミ「今日から校長も兼任して鷹の羽学園の全権を掌握することになったわ」
 と言うことはやはり、河合絃司さんは(退場シーンもないまま)お役御免と言うことらしい。彼と言い、児島美ゆきと言い、準レギュラー教師へのこの扱いはちょっとどうかと思う。
 そこへ何故か、美也子が飛び込んでくる。ちっちゃいけど、沼先生もいるよ!

 美也子「お姉さま!」
 しかし無論、レミの反応はよそよそしく冷たい。
 レミ「この女を放り出しなさい、それから、沼先生も今日限り解雇です」
 と、美也子の「ついで」にクビにされちゃった沼先生。

 しかし沼先生の反応は鈍く、
 沼「なにぃ」
 と、唸るだけ。

 どうやらあまりのショックに、状況が把握できていないようです。

 さらにレミは立てこもっている生徒たちも全員退学だと無情の宣告。強制排除しなさいと部下に命じる。
 続けて、数人の警備員が入ってきてサキたちを外へ連れ出そうとする。
 サキはここで手袋をはめ、ヨーヨーで彼らを攻撃する。
 沼先生につかみかかっている警備員の眉間にスコーンと入るヨーヨー。
 美也子の横の警備員の足をチェーンで引っ張る。
 さらに、斉藤さん自身がアクションに挑戦しておられるが、うーん、やっぱり動きは鈍い。屋外と違い、屋内ではスタントはちょっと使いにくいからね。
 警備員を派手に投げ飛ばす斉藤さん、ちょっと体が離れ過ぎている。
 そしてレミに対し「てめえ、許さねえ!」と、威嚇に机の上の書類を舞い散らせる。衝撃で火花が出るほどであった。

 怒りを込めてレミを見詰めるサキ。レミはしかし余裕たっぷりの笑みを浮かべている。
 さすがに書類が飛び過ぎてないか? 風で舞ってる訳じゃないんだから。
 しかも、ここで「つづく」ことになってしまう。

 管理人はDVDで最初見たとき、「つづくんかい!」と、画面に突っ込んでしまった。



Aパート Bパート 今週のチェック
週の恭一郎チェック
・そこそこ出番はあるが、特に印象に残るカット、台詞などは見られなかった。この辺りになると、序盤に見られたお茶目な一面も全く見られなくなる。
今週の三平チェック
・今回はサキの情報源として活躍するが、こちらも見せ場らしい見せ場はなかった。
今週の暗闇指令チェック
・初めてサキを自分のオフィスに招いて指令を与える。長門裕之がしっかり斉藤由貴と共演しているのだが、ここでも頑なにその顔を影で包み、素顔は見せない。
今週の突っ込みどころ
・細かいところはさておき、一番気になるのは「何故、レミの計画の拠点が鷹の羽学園でなければならないのか?」と言う点である。そこに主人公のサキがいるからという身も蓋もない答えは却下する。
 そもそも鷹の羽学園は特に有名な進学校でも、伝統校でもなかった筈だ。そこをわざわざ手間隙かけて乗っ取って、有力者の子弟を集めると言うのは、いかにも迂遠な方法だ。海槌財閥ならば、新しく学校を作るくらい簡単だろう。まあ、新設する場合は、当該機関の許可などが要るだろうから、既存の私立学園の経営権を奪うほうが手っ取り早いと言うことはあるかもしれない。
 しかし、この計画(日本の指導者となる生徒たちを集めて海槌財閥の意のままに操る……)自体、極めてのんびりした遠大な計画な訳で、その拠点となるべき学校を、こんな風に拙速に作り上げてしまっていいものだろうか?

 ちなみに、将来の指導者となる優秀な生徒を集めて洗脳し意のままに操り、やがては日本そのものを支配する……と言う、アホのような長期プランは、模倣作品のひとつ「セーラー服反逆同盟」のコミック版でも使われている設定だ。

・また、レミは美也子を抱きこんで騒ぎを起こさせ、それを口実に生徒たちを退学させているが、では、沼先生はどういう口実でクビにするのだろうか? あるいは口実もなしにクビにできるのなら、どうして今まで沼先生を放置していたのか、疑問である。

・前後するが、将来の指導者たる生徒たちが、海槌財閥の指示で次々と鷹の羽へ転校してきているのだが、海槌財閥の命令で(それまでいた、恐らくは名門校から)鷹の羽へ来るくらいなら、わざわざ洗脳しなくても最初から海槌財閥の言いなりじゃないのか? と言う気もする。
 
今週のまとめ
・遂に本命レミの雄大な計画が動き出す重要なエピソード。それにあわせて、かつての鷹の羽学園や2-Bの崩壊も決定的となる。

・アクションは最後に申し訳程度にあるだけ。

・今週の評価 ★★★☆☆(3/5)