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第1話 謎の転校生サキ
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 記念すべき第1話。

  ただし、初回はサキが転校生として一度しか登場しない学校に潜入捜査するため、神恭一郎(とサキの母)以外の三平や美也子などのレギュラーは登場しない(暗闇指令はカセットテープの声だけ)。
  
 ナレーション「日本の高校生、その数およそ490万2千人。勉強しか頭にない奴もいる。つっぱってばかりいる奴もいる。そして……」
 意味もなくネガポジ反転になる映像。登校風景、教室、ゲーセンなどでのスケッチ。

    
 「孤独な奴もいる……」
 と言うフレーズにあわせて、雨の中、路上にいた白い犬に近寄る、赤い傘に赤い雨靴の女の子。
 犬を抱き上げたのは、この作品の主人公・麻宮サキ(斉藤由貴)であった。
  
 ここで早くもOP。サキの目が左右に動き、ついで、赤いヨーヨーも右、左へ飛ぶ。
 そう言えば、ここでサキが身に付けているものは、全部赤で統一されてるんだよね。ヨーヨーの赤に合わせての演出であろう。
  
 そのヨーヨーを受け止め、スーッと前に出して桜の大門を見せるサキ。そしてタイトル。
  
 屋上から女子生徒が落ちて死ぬと言うショッキングなシーンを置いて、第1話の舞台となる「聖アンナ女子高等学校」の正門、そして朝っぱらからヨーヨーで遊んでいる謎の女子生徒の後ろ姿、そこへサブタイトルが表示される。

 第1話の導入部であるのに、変にもったいぶってないところが良いよね。ただ、最終回でさえあれほどヨーヨーと悪戦苦闘していた(メイキング参照)斉藤さん、ここではいとも簡単にヨーヨーを操っている。ひょっとして、これは別の人が演じているのかな?
 教師「今日からこの学園に転校してきた麻宮サキさんです。麻宮さんは我が校が誇る聖アンナ奨励金制度によりこの学園の一員になりました」
 サキ「よろしくお願いします」
 転校生として、普通に紹介され、普通に挨拶するサキ。やっぱり美人だなぁ。
 クラスメイトの中には、大映ドラマでお馴染み立原ちえみさんの姿も。

 彼女は後に、「セーラー服反逆同盟」にも主人公のクラスメイトとしてレギュラー出演しているが、「スケバン刑事」ではこの回限りの出演である。

 サキの挨拶に、一部の生徒たちから「ワッペンワッペンよ、道理でダサい格好してると思ったわ」と、嘲笑する声が響く。
  
 サキは、胸にワッペンをつけている、これは奨励金制度によって入学した……要するに、ビンボー人の証なのだが、、笑っているのはワッペンのない、普通の生徒、要するに金持ちの家の生徒たちである。

 教師「何がおかしいんですか。奨励金を受けている生徒は確かに胸にワッペンをつけています。でもそれは決して恥ずかしいことではありません。いいですね」

 担任の女教師が生徒たちを静かにさせる。この先生、なかなか美人なのだが、残念なことにアップになってくれない。
  
 で、すぐ授業になるのだが、転入したばかりで教科書のないサキに、隣の立原ちえみが教科書を見せてやろうとするが、わざと床に落とし、さらに足で蹴飛ばすと言うイジワルをするのだが、この場合、自分で自分の教科書を蹴ってるわけで、なんか変である。もっとも、サキは立って、教科書を拾いに行く。

 立原ちえみは、いじめキャラが良く似合う。
 「不良少女とよばれて」では、むしろいじめられていたけど。
 そして、サキをじっと見詰める謎の女生徒。別に謎じゃないけど。
  
 休み時間、庭で一人所在無げにヨーヨーを弄んでいるサキ。

 このシーンも何気なく撮ってるようで、その背後には、膨大なNGテイクがあったのではないかと推測される。ただ、この時点では、彼女が手にしているのは特殊合金製のヨーヨーではなく、普通のおもちゃのヨーヨーである。

 ふと、自分の掌を見詰めるサキ。
 左の掌には、十字型の傷があった。ここから回想シーンへ。
    
 手錠をされ、パトカーで連れられていくサキの母と、それを追いかける幼い日のサキ。幼いサキを演じる林美穂は、後にスケバン刑事3で、「謎の美少女」として三代目麻宮サキの前に立ちはだかることになる。

 サキ「お母さん、お母さーん!」
  
 転ぶサキ。その傷は、この時できたものだった。
  
 裁判官の声「判決を言い渡す。主文、被告、麻宮ナツを有罪と認め、死刑を言い渡す」
 ただし、この段階では、まだ具体的に彼女が何をしたのかまでは描写されない。
 ちなみにこの時の裁判官の一人が、後の暗闇指令の筈なんだけどね。

 回想終わり。
  
 この学校は全寮制なので、こんなシーンがある。
 お盆を持って歩いていたサキの足を女生徒のひとりが引っ掛け、サキが転んで、前にいた立原ちえみの服を汚してしまう。

 サキ「すいません。この人がわざと足を引っ掛けたんです」
 サキははっきりと説明するが、立原ちえみはあくまでサキのせいだとして、土下座して汚れを拭けと強要する。
 弘子「いい加減にしなさいよ! そんなことする必要ないわ!」
 と、そこで、さきほど意味ありげにサキを見ていた女生徒・山崎弘子がたまりかねて口を出す。
  
 そこへ「やめなさい!」と声がして、生徒会長・野々宮麗子がやってくる。

 「お食事の時間に喧嘩をするなんて、名門聖アンナの生徒がすることじゃなくてよ!」
 と、ドラマの中でしか聞けない語尾で全員をたしなめる。

 弘子の前に立ち、
 「山崎さん、改めてみんなに言っておくわ。この学園にいる限りワッペンの生徒はあたしたちの命令に絶対服従すること! いいわね」
 と、申し渡す。

 ちなみに、彼女は学園の理事長の娘であるらしい。わかりやすい設定だ。
 弘子は抗議するが、
 麗子「イヤなら学校を辞めて貰っても結構なのよ。そんなことできないわよねえ。なにしろ辞める時は、奨励金を全額学校に返さなくちゃならないんだから。あなたのところ、お父さんが病気で、お母さんが内職してるんでしょう?」
 と、イヤミを並べて、さっさとその場を離れる。
 立原「さあ、グズグズしないでさっさとスカート拭きなさいよ、麻宮さん!」
 その尻馬に乗って、改めてサキに命じるちえみ。

 サキ、はらわたが煮えくり返っていたと思われるが、ことを荒立てないため素直に命令に従うのだった。
  
 勝ち誇る立原ちえみと、目に涙を溜める弘子。
  
 その後、自分の部屋に戻ってきたサキだが、暗闇の中、気配を感じて警戒する。

 と、暗闇から次々とナイフが飛んでくる。
  
 ここで、でんぐり返しでベッドの陰に移るというアクションがあるのだが、なんとなく別人がやってるっぽい。
 アクションと言うほどでもない単純な動きだけど、斉藤さん、いかにも運動神経なさそうだしなぁ。
 サキはヨーヨーを投げて、ナイフを防ごうとするが、なにせおもちゃなので、すぐ割れてしまう。
 サキ「誰? そこにいるのは分かってるわ。出てきなさい!」
 サキの言葉に、背の高いシルエットが部屋の中央に立つ。侵入者の正体は……、

 サキ「神恭一郎……」

 そう、愛しの神サマでありました。

 個人的なことだが、自分がこのドラマに惚れ込んだのは、斉藤さんや他のレギュラーの方もさることながら、この中康次さんの存在が大きい。ついでに言うと、全話を通してドラマに出ているのは、主役の斉藤さん以外では、この中さんだけなのだ。
  
 ここで、すぐ二人の会話に行かず、生徒会長たちの様子を挟むのが上手い編集。
 麗子「不審な動き?」
 生徒「ええ、前から気になっていたんですけど、どうもワッペン連中が何か企んでるみたいで……死んだ中村美智子のことも、色々嗅ぎまわってるようなんです」
 麗子「なんですって」
 立原「そう言えば、ワッペンの誰かがあれは自殺じゃなくて殺されたんだって、そう言ってたの聞いたことがあるわ」
 仲間の言葉に眉をひそめる生徒会長。ここでも、冒頭の女生徒転落のイメージ映像が流れる。
  
 そしてサキの部屋に戻る。
 サキ「そろそろ仕事の内容を話してもらいたいねえ。……言っとくけど、仕事はこれ一度きりって約束だからね! そいつを忘れないでおくれよ!」
 暗闇指令のエージェントである神に釘を刺すサキ。そう、サキのスケバン刑事としての任務は、もともと一回だけの設定だったのだ。少なくとも、サキはそう思っていたようだ。

 それにしても、神は肩幅が広い。
 赤いバラを前に、微笑む神サマ。無言で、内ポケットから携帯カセットプレーヤーを取り出し、サキに投げる。
 サキが再生ボタンを押すと、

 暗闇指令の声「こんばんはサキ、そろそろ君の任務を説明する時が来たようだ。その任務とは、君が今いる聖アンナ女子学園の不正入学を暴くことにある。学園のどこかに不正入学者の氏名を記載した名簿があるはずだ。それを手に入れ、同時に中村美智子の死の真相を突き止める。分かったね? 成功を祈ってる」
  
 暗闇指令の命令に続けて、神が補足説明を加える。
 じゃあ、神が最初から自分で話せと思うのだが。

 神「この学園はどうも胡散臭い。名門校として名前が通っているのは、貧しい家庭の子供でも成績が優秀なら、奨励金を与えてどんどん入学させ、学園全体の偏差値を上げているからだが……それだけでは、金持ちの親たちも大金を積んで自分たちの馬鹿娘を裏口入学させたいとは思わないはずだ。恐らく裏にまだ何か悪質なからくりが隠されているに違いない……いいか、お前を特命刑事としてここに送り込んだのは、学園で起きた事件は警察もなかなか捜査しにくいからだ。まさか、スケバンのお前が刑事だとは誰も思わないだろうからな」

 長ーい台詞。しかもワンカットで、部屋の中を動きながらの演技なので、ちょっと息切れする神サマ。
 サキ、軽く頷いてプレーヤーを神に投げ返す。

 しかし、金持ちの子弟だから馬鹿と言うのは、いかにも80年代的な発想ではある。格差の進行した今では、むしろその逆だからね。

 ただ、不正入学については、元々ここは私立なのだから、成績だけで公正に競争させず、恣意的に入学希望者の合否を決めても、犯罪と言うほどではないんじゃないかと思うのだが……。入学させるだけなら、推薦入学と言う手もあるし。

 暗闇指令がわざわざサキを送り込んだのは、彼の言う「悪質なからくり」を暴くためだったのだろう。
  
 次のシーンでは、早速忍者みたいな格好で、学園の理事長室に潜入するサキの姿があった。
 見難いけど、ロープで建物の外壁をのぼっている図。
 ちなみに「スケバン刑事」の亜流作と言われる「セーラー服反逆同盟」の第2話に、ほぼ同じようなシーンがある。
 サキ、理事長室に忍び込んで書類を捜すが、そう簡単には見付からない。

 そりゃまあ、真っ暗な中で探しても、見付からないとは思うが。

 で、サキは用意していた盗聴器を机の下に仕掛ける。

 それはいいのだが、この後、後ろ髪の長い守衛に見付かって彼を投げ飛ばすと言うシーンがある。それだと、何者か怪しい人間が学園をさぐっているということが、理事長たちに筒抜けになるので、少しまずいのでは? この守衛とのアクションシーンは要らなかったと思う。
  
 その頃、理事長の豪邸では、時代劇で必ず見たことのある顔が二つ並んで悪だくみの真っ盛り。
 理事長「ほほほっ、今年は12人の裏口入学で9億か……」
 校長「いやぁ、これもワッペンの生徒のお陰ですな理事長」
 理事長&校長「わっはははははは」

 と、視聴者に自分たちの悪事を説明する二人。
 なお、左の理事長役を演じるのは、神田隆さん。右の校長は、近藤宏さん。
 それにしても、趣味の悪い部屋だ。

 ここまでセンスの無い飾りつけも、ドラマとは言え、なかなかお目にかかれない。
 そこへ麗子が入ってきて、父親である理事長に耳打ちする。
 理事長「何ぃ、生徒たちが?」
 麗子「それで一応断りに来たの。あたしの好きなようにさせて貰うわよ」
 理事長「待て、どうもお前は我慢を知らんで困るなぁ。あっはっはっ、ワッペン連中は金の卵だぞ。そろそろ来年度の大学受験者リストの作成も始まる。軽はずみな行動は自粛するんだ!」
 悪は悪なりに娘に自重を促すが、

 麗子「いやよ! 私は人に逆らわれるのが大っ嫌いなの! あんな蛆虫たち、叩き潰してやる!」
 と、血相を変えて部屋を出て行く。お父さん、娘の育て方、完全に間違ってますよ。
 ここでアイキャッチ。



Aパート Bパート 今週のチェック
 
  
 再び、サキがひとりで雑木林の中でたそがれていると、その後ろで、山崎弘子が同じワッペン生徒たちに協力を訴えていた。
 弘子「今まで隠してたけど、死んだ美智子先輩は理事長室から不正入学の名簿を盗み出して、どこかに隠したの。死ぬ直前私に話してくれたの。でもそれがどこにあるのか誰にも分からないの! 私たちの手で発見するのよ」

 偶然、それを聞きつけて、ハッとするサキ。ちなみにこの時、彼女の手には昨夜壊れた筈のおもちゃのヨーヨーが再び握られている。
  
 一緒に戦ってくれと叫ぶ弘子だが、わが身可愛い仲間たちは、蜘蛛の子を散らすように去ってしまう。
 弘子「お願い、戦って! お願いだから……」
 泣き崩れる弘子、そこへサキが近付いて、

 サキ「泣くんじゃないよ。逃げたい奴は逃げればいい」
 と力づける。
  
 一方、神は暗い地下道を抜け、コンクリートうちっぱなしの、秘密施設にやってきていた。

 秘密研究員と言うより、もてないガンマニアのオフ会のように見えるが、ここは彼らの組織の秘密兵器研究開発室なのだった。
 ま、これは007シリーズへの確信犯的なオマージュだろう。
 神「できてるか?」
 ひとりの所員に尋ねる神。
 ここで、「いいえ、まだです」「そうか、じゃあまた来る」などという間抜けな会話には絶対ならないのがドラマのいいところ。

 所員「はい」
 待ってましたとばかりケースを渡す。
 それこそ、サキのトレードマークである、シルバーと赤の配色がまぶしい特別製のヨーヨーなのだった。
 しかし、これを見ても、中康次は手がでかい……身体がでかいことがよく分かる。
 一方、サキは、英語の授業中、理事長室に仕掛けた盗聴器をモニターしていた。

 このシーンも、「セーラー服反逆同盟」の5話で雄太がほぼ同じことをするシーンがあったなぁ。
 折しも理事長室では、わるだくみの真っ最中。
 受験を控えた成績優秀なワッペン生徒たちを呼んで、なにやら相談を持ちかけている。

 まず、彼らの勉励ぶりを誉めて持ち上げてから、
 理事長「その実力を他の生徒達に分けてやって貰えないだろうか」

 簡単に言うと、「替え玉受験」である。成績の良い彼らに、金持ちの生徒たちのかわりにテストを受けてくれと頼んでいるのだ。
 この場合、ワッペン生徒たちは生徒たちで、自分自身のために試験も受けることになるのだろう……か?

 無論、生徒たちは嫌がるが、既に親の承諾は得てあると理事長、校長二人がかりで脅す。
 彼らは、奨励金を受けていると言う弱みがあるので、断れないのだった。
 校長は彼らに奨励金を出したのも、最初から替え玉の為だったと明言する始末。
 サキの声「ひでえ、これが裏のからくりだったのか……多分中村美智子も替え玉を強要されて……それで……許せねえ!」

 憤慨するのはいいが、思わず、机をバンッと叩いて、みんなの注目を集めてしまうサキ。
  
 教師「何をしてるんですか、麻宮さん、出しなさい!」
 美人先生は、目ざとくサキのイヤホンを見付ける。

 ここは、サキにとってかなりまずい状況だったが、ちょうどそこへどやどやと他のクラスの生徒が入ってきて、弘子が生徒会長の野々宮麗子に呼び出されたと告げに来る。

 サキ「なんですってぇ?」
 生徒「気がつかなったのぉ?」
 サキが後ろを見ると、確かに弘子の席は空だった。

 ただ、サキはこの時点で、特に弘子と親しくしてるわけでないし、それをこの生徒たちが知ってるとも思えない。それにサキが特に強いことも知ってない筈で、彼女に泣きつくというのは、ちょっと不自然である。

 もっともこの場合、彼らの闖入は、サキにとっては勿怪の幸いだったろう。イヤホンのことはうやむやになってしまう。
  
 その弘子、えらいブサイクなスケバン三人組に、ぼこぼこにされていた。
 それを離れたところから眺めてせせら笑う野々宮麗子。
 こういう時に、自ら手を下さず、スケバンにやらせるのが、いかにも彼女らしいやり口だ。

 しかし、こうやってリンチして済む問題でもないと思うが。
 サキが長いこと走ってここに来ているから、ここは学園内ではなく、どこか別の公園なのだろう。
 サキが駆けつけたときは、既に麗子たちは立ち去っていて、弘子ひとり倒れ伏していた。

 ただ、このシーン、弘子の後ろに馬鹿でかい子供がいるように見えて、なんかシュールである。
 サキ「弘子さーん! しっかりして」
 弘子の傷に巻くため、制服のスカーフを外すサキ。
 弘子「麻宮さん、あたし思い出したの。美智子先輩が名簿を盗みに行く前、もし万が一のことがあったら、盗んだ名簿は、どうせ汚いものなら、汚いところへ隠すって、そうあたしに言ったの」
 喘ぎながら話す弘子。
 サキ「汚いものは汚いところへ隠す……」

 考え込むサキ。凡人だったら、とりあえずトイレに行くところだが、特命刑事麻宮サキはそんなことはしない。
  
 その一言だけで、隠し場所の見当をつけてしまうサキ。
 サキ「弘子さん、名簿は必ず見付け出して見せるわ。中村美智子の死の真相も……待っててね」

 そこへ、弘子の友人達がやってきて、口々に弘子に詫びる。
  
 サキは立ち上がると、胸のワッペンを毟り取って、地面に叩き付け、歩き出す。
 ポニーテールがよく似合う斉藤さん。そう言えば、靴下も赤なんだよね。
 これは、単に学校に戻っているところなのだろうか。
 と、行く手を神恭一郎の愛車ポルシェが阻む。
  
 神「やる気か?」
 サキ「許せないわ、理事長たち」
 神「ギラギラしてきたなぁ」
  
 神「獲物を前にしたのようないい目付きだ」
 なぜ、豹なのかはさておき、さっきの工具箱のようなケースを取り出し、
 神「重合金で出来たヨーヨーだ。鉄をも砕く力がある。今日からお前の武器だ」
 サキはチラッと神を見上げてから、ヨーヨーを手に取り、オプションのレザーの手袋も持って行く。
 ポルシェの横でサキを見送る神。ポルシェが小さく見えるぜ。
  
 サキは、かなり長いこと歩いてから、左手の古傷を見詰め、手袋をはめる。この手袋は、サキの古傷を防護する意味もあったのだろうか。あるいは単なる滑り止めか。
  
 その頃、時代劇の悪役よろしく、自分たちの悪の栄華に酔い痴れていた二人は、遠くから聞こえるシュルルルルッ、パンと言う物音にギョッとする。
 理事長「なんだあの音は?」
 それは、サキの特別製ヨーヨーチェーンの放つ唸りであった。
 ちらちら見える赤い靴下が可愛いね。ただ、ここもヨーヨーが苦手なサキに代わり、別人が演じている可能性もあるが。

 この、やたら長いサキの歩くシーンなど、全体的に「必殺シリーズ」を意識しているような印象だ。
  
 そして堂々と入ってくるサキ。
 二人は、「何だお前は」「出て行きなさい! どこのクラスの生徒だ」と極めて常識的な対応。なんかこのシーン、間抜けだ。
   
 サキ「2年4組麻宮サキ、またの名は……スケバぁン刑事(デカ)!」
 と、独特のイントネーションで名乗るサキ。挨拶代わりにヨーヨーを二人の目の前に投げてから、
 ヨーヨーのうずまきを相手に向け、
  
 カパッとカバーを外し、中にある「桜の代紋」を印籠のように見せびらかす。
 必ず敵は、これを見たら「桜の代紋!」といって驚かなくてはならない。
  
 そしてここで、有名な決め台詞。
 サキ「スケバンまで張ったこの麻宮サキが、何の因果かおちぶれて、今じゃマッポの手先……笑いたければ笑うがいいさ!」
 と言われてほんとに笑ってはいけません。
  
 サキ「だがな、てめえらみてえに、金のためなら不正入学や替え玉受験もいとわねえなんてそこまで魂は薄汚れちゃいねえんだよ!」
 と、割と具体的な相手の悪事を台詞に挟むサキ。ただ、ここはシンプルに「〜てめえらみてえに魂までは〜」の方が締まると思う。

 とにかく、証拠があるのかと子供相手にムキになる二人に、
 サキ「証拠? 証拠が見たければ……見せてやるぜ!」
 部屋の一方に飾ってある理事長の胸像。これが結構、神田隆さんに似てるのだが、
  
 それに向かってヨーヨーを投げるサキ。
 火花を散らして破壊される像。しかし、粉々にはなっても、さすがに爆発はしないのでは?
 そして、その中から、問題の不正入学者リストが出て来る。
 つまり、中村美智子の言う「汚いところ」とは、汚い理事長の胸像の中だったという種明かしである。……分かりにくい。
 これについては、「今週の突っ込みどころ」を参照されたい。
 ヨーヨーで二人を威嚇してから、書類を拾い上げ、
 サキ「中村美智子が死ぬ前に汚いものは汚いところへ隠したと言い残したそうだ。なるほど、腹黒い理事長のブロンズの中なら、納得も行くぜ!」
 理事長「たかが小娘ひとりだ、取り返せ」
 と、校長を押す理事長。
  
 サキ「なめんじゃねえ!」
 さらにサキは次々と室内の器物をヨーヨーで壊して行く。
 そして「答えろ、中村美智子を殺したのも貴様らだな」と、自白を迫る。
 無論、相手は知らないと答えるが、サキはしつこくヨーヨーで威嚇して、遂に「わしがやらせた」と理事長に言わせる。

 ……これって、自白の強要じゃないの? ま、いいけど。
 つまり、美智子は自殺ではなく、彼らに口を封じられたと言うことか。
 なお、二人の前でヨーヨーを宙に飛ばし、受け取る時、少し目が泳ぐ斉藤由貴さんでした。
 サキは、それを聞くや否や、片膝をつき、
  
 反動をつけてかっこよくヨーヨーを投げ、
  
 仲良く二人の手首を、チェーンでぐるぐる巻きにして一丁上がり。
 どういう仕組みなのか今ひとつ分からないのだが、その後、ヨーヨー本体がチェーンから外れ、転がってサキの手元に帰ってくる。
 サキが廊下へ出ると、弘子たちが待っていた。サキは名簿を渡し、後は彼女に任せると告げて去る。
 神が手を回したのだろうか、早くもパトカーがたくさん学校に駆けつける。
  
 その騒然とした中、弘子たちが、放送室からその名簿の名前を校内に発表して行く。
 弘子「不正入学で我が学園に入った生徒の氏名を読み上げます。野々宮麗子……」
 で、理事長の娘の野々宮麗子もそのひとりであった。

 麗子「うそっ、私は不正入学じゃないわーっ」
 もっとも、私立校の理事長が、自分の娘を試験抜きで入学させても、倫理的には問題かもしれないが、そんな騒ぎ立てることでもないと思うんだけどね。

 今までの怒りを込めて、ワッペン生徒たちがワッペンを剥ぎ取り、麗子に迫る。
 麗子「やめてよぉーっ」
 立原ちえみも名前を呼ばれ、いたたまれなくなる。意地悪キャラだけど、ちょっとかわいそう。山岸由美とか言う役名らしい。
 こうして学園の不正はただされ、サキは何の余韻もなく学校を去って行く。
 背後のパトカーに乗せられる理事長に、麗子が「お父様ーっ」と縋り付く様子が少し見える。

 このドラマ、特に序盤は、ラストの処理がとても雑と言うか、さっぱりし過ぎている感じがして、そこが惜しい。



Aパート Bパート 今週のチェック
週の恭一郎チェック
・記念すべき初登場シーンからして、女子高の女子寮に忍び込んでいると言う、一歩間違えれば単なる変質者の烙印を押される行為に
走っている神サマ。これは第一部でしばしば指摘されることだが、その巨体で、どうやって男子禁制のはずの女子寮に、誰にも見咎められずに出入りできるのだろうか。
 また、あまりに背が高い(191)ため、普通に突っ立ってるだけで、外を見ようとしても、窓の枠を超えて壁を見詰めることになってしまう神サマ。
今週の三平チェック
・いません。
今週の暗闇指令チェック
・音声だけのテープからビデオテープまで、いろんな形態でサキに指令を伝える暗闇指令。

 今回は、
 こういうリーズナブルな携帯プレーヤーで登場。
今週の突っ込みどころ
・クライマックス、不正入学者名簿が理事長の胸像の中に隠されていたことを暴き出すサキ。

 しかし、盗み出した中村美智子は、そもそもどうしてそんな貴重なアイテムを、わざわざ理事長の部屋に隠したのだろう? もし必要になったときに、いつでも入ることが出来ない場所ではないか。

 それに、最後に理事長は、彼女は自殺ではなく、自分の指示で殺させたと告白している。
 と、すれば、その死は中村美智子にとっては突然訪れたことになる。それなのに、彼女は、
 こういう凝ったところに隠匿するだけの時間的余裕があったわけだ。

 根本的な疑問なのだが、どうして、こんな発見しにくい場所に隠さないといけなかったのか。第一、隠すと言っても、どう見ても胸像を作るときから書類は仕込まれていたとしか思えない。ま、中ががらんどうで、底に穴でも開けて入れておいたのかもしれないが……。

 ついでに、中村美智子は、死の直前、弘子に書類の隠し場所について話しているのだが、なぜ、わざわざ「汚いところ」などという漠然とした表現を使ったのか。彼女は彼女のことを信頼していたようだから、ずばり、「理事長の胸像の中」と言えば済むことだし、自分に万が一のことがあった場合、確実にその証拠が警察の手に渡るようにするためにも、そうすべきだったろう。

 もうひとつ、書類の原本がここにあったということは、それまで理事長の手元にはその大事な名簿がなかったことになる。しかるに、校長とのやりとりでも、そのことを危惧したり不審に思っているような素振りは見せない。また盗まれたことを知らなかったとすれば、こんな悪事を働くにしてはあまりにバカ過ぎるだろう。

 要するに、胸像の中に隠したのを中村美智子にするからおかしいのだ。そうではなく、理事長自身がそこに隠匿しており、中村美智子はそれを知った、あるいは見てしまったために、口を封じられたというようにすれば良かったのである。
今週のまとめ
・1回目と言うことで、1回しか登場しない学園を舞台に、不正入学、替え玉事件と言ういかにもスケバン刑事が暴くにふさわしい事案を解決するサキ。ストーリー自体は凡庸だが、麻宮サキのキャラクター、立ち位置などを示すパイロット版的な役割は十分果たしている。

・今週の評価 ★★★☆☆(3/5)